3月27日、J-FLEC(金融経済教育推進機構)は2025年版「金融リテラシー調査」の結果を公表しました。18歳から79歳の3万人を対象とした本調査で、お金の知識や判断力を問う正誤問題の正答率は、全国平均で53.8%となり、2022年の前回調査(55.7%)から1.9ポイント低下しました。

1. 【金融リテラシー】金融教育の広がりと「二極化」の進行

調査結果の大きな特徴は、金融経済教育の普及と、それに伴う「リテラシーの二極化」です。金融経済教育を受けたと認識している人の割合は8.7%と、前回から増加しました。

教育を受けた層の正答率は66.7%と高い水準を維持していますが、受けていない層は52.6%に留まり、前回比でも低下傾向にあります。

2. 【金融リテラシー】投資意欲の高まるも「約3割」理解不足のまま購入

また、投資意欲の高まりも鮮明となりました。期待収益率が高い案件に「投資する」と答えた人は27.2%と、過去最高を更新しました。実際に資産運用を行った経験がある人も29.1%まで上昇しています。

金融商品購入者のうち、その商品性を理解せずに 購入した人の割合2/3

金融商品購入者のうち、その商品性を理解せずに 購入した人の割合

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「金融リテラシー調査(2025年)のポイント」

しかし、懸念されるのはその中身です。株式や投資信託、外貨預金などを購入した人のうち、「商品性を理解せずに購入した」とする割合が増加傾向にあります。特に株式では約25.7%、投資信託でも約29.3%の人が、商品性を十分に理解しないまま投資を行っている実態が明らかになりました。

3. 【金融リテラシー】若年層で拡大する「自信と実力のギャップ」

さらに深刻なのが、若年層における「自己評価と知識の乖離」です。

金融リテラシーギャップ(「客観的評価」ー「自己評価」)と金融トラブル経験者の割合3/3

金融リテラシーギャップ(「客観的評価」ー「自己評価」)と金融トラブル経験者の割合

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「金融リテラシー調査(2025年)のポイント」

金融経済教育を受けた18〜29歳の若年社会人は、知識の自己評価が客観的な正答率を大きく上回る「金融リテラシーギャップ」が、全世代で最も大きくなっています(マイナス幅が最大)。この層の金融トラブル経験率は33.5%と突出して高く、J-FLECは、自信過剰がトラブルを誘発している可能性を示唆しています。

4. まとめにかえて

国際比較では、日本の正答率は米国(49%)に迫る46%を記録しました。一方で「知識に自信がある」と答えた日本人はわずか13%(米国は64%)に留まり、謙虚な国民性が浮き彫りとなりました。

今後は、単なる知識付与にとどまらず、自身の理解度を客観視し、リスクを適切に判断できる実践的な教育が求められます。特に若年層への継続的なフォローと、実体験に基づく金融教育の強化が重要となりそうです。

参考資料

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「金融リテラシー調査(2025年)のポイント」

村岸 理美