3月も下旬に入り、年度末の慌ただしさとともに、春の訪れを感じる季節になりました。

4月からは新入社員や転職者、異動してきた同僚などを迎え、職場の雰囲気も新しくなることでしょう。

こうした環境の変化は、自分自身のキャリアについて改めて考えるきっかけにもなります。

現代では60歳代でも現役で働く人が増え、キャリアは40年以上にわたる長い道のりです。

その中で「管理職として組織をまとめるマネジメントの道に進むか」「専門性を極めるスペシャリストとして貢献するか」という選択は、多くの人が直面する悩みではないでしょうか。

この二つのキャリアパスは、仕事内容や求められる責任だけでなく、収入面でも違いがあります。

今回は特に「収入」という観点から、中間管理職と役職のない社員の年収がどのくらい違うのか、具体的なデータをもとに見ていきたいと思います。

1. 部長・課長・係長クラスの年収は?中間管理職の平均的な収入を解説

はじめに、厚生労働省が公表する「令和6年賃金構造基本統計調査 役職別」のデータを参照し、中間管理職である「部長」「課長」「係長」の平均的な年収について見ていきましょう。

※本記事で用いる賃金とは、調査が行われた年の6月分の所定内給与額の平均を指します。

時間外手当などは含まず、所得税などが差し引かれる前の額面金額です。

まずは、部長、課長、係長という役職ごとの平均賃金(月給)を確認します。

1.1 役職別に見る中間管理職の平均月給

  • 部長職:62万7200円
  • 課長職:51万2000円
  • 係長職:38万5900円

各役職間で、月給に10万円以上の開きがあることがわかります。

ここで、賞与が年に2回、それぞれ月給の2カ月分支給されると仮定して平均年収を計算すると、以下の金額が目安となります。

1.2 中間管理職の平均年収を試算

  • 部長職:約1003万円
  • 課長職:約819万円
  • 係長職:約617万円

日本の平均年収が478万円であることをふまえると、中間管理職はいずれの役職も平均を大きく上回っています。

係長職で600万円台、課長職で800万円台、そして部長職では1000万円を超える水準です。

2. 役職がない場合の平均年収は?中間管理職との収入差を比較

次に、役職に就いていない非役職者の収入についても見ていきましょう。

2.1 非役職者の平均的な月給と年収

  • 平均月給:30万2800円
  • 推定年収:約484万円

非役職者の平均月給は、係長職と比較すると約8万円低く、年収に換算すると約484万円という結果でした。

なお、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 役職別」では男女別のデータも示されており、中間管理職・非役職者のいずれにおいても、男性の賃金が女性を約4万円から10万円上回っています。

管理職は、会社の目標達成に向けた業務管理、戦略の立案、部下の指導・育成といった重責を担います。

こうした業務内容や責任の大きさが、一般社員との収入差に反映されていると考えられます。

3. マネジメントかスペシャリストか、キャリア選択で重要な「適性」

キャリアプランを立てる際、マネジメントとスペシャリストのどちらの道を選ぶか迷う方は少なくありませんが、その判断において「適性」は非常に重要な要素です。

どちらの道に進むにしても、仕事は日々の積み重ねです。特に管理職には、リーダーシップや意思決定力、高いコミュニケーション能力が求められます。

もし適性がなければ、成果を出しにくく、精神的に辛い状況に陥る可能性もあります。

近年「管理職は罰ゲーム」と揶揄されることがあるように、責任の重さからくるストレス、経営層と現場の板挟み、膨大な業務量といった課題を抱えやすい側面も指摘されています。

マネジメント職かスペシャリスト職かを選ぶ際には、ご自身の適性や価値観、将来の希望を考慮することが大切です。

まずは、自分がどのようなキャリアを歩みたいのか、時間をかけて考えてみてはいかがでしょうか。

また、収入を向上させる方法は、昇進して役職を得ることだけに限られません。

現在の仕事でスキルを磨くことはもちろん、会社が許可していれば副業に取り組んだり、リスクを理解した上で資産運用を始めたりすることも、収入を増やすための選択肢となり得ます。

どの選択肢にもメリットとデメリット、そしてリスクが伴います。

そして、いずれの方法においても成功の鍵を握るのは「継続する力」です。

この機会に、ご自身に最適なキャリアプランやマネープランについて、改めてじっくりと検討してみるのも良いでしょう。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

マネー編集部年収班