2. 【日立製作所】絶好調な直近決算:利益が1.5倍に急拡大
事業の「選択と集中」という大手術を終えた日立製作所は、現在どのような業績を上げているのでしょうか。
泉田氏は直近の決算データを基に、その力強い成長ぶりを解説しています。
2.1 2026年3月期第3四半期の驚異的な伸び
2026年3月期第3四半期(9ヶ月間)の累計決算を見ると、その好調さが数字に表れています。
売上収益は7兆5018億円で、前年同期比7.0%の増加。さらに注目すべきは利益の伸びです。
本業の儲けを示す「調整後営業利益」は8257億円(同26.1%増)、そして投資家が最も重視する「親会社株主帰属利益(最終的な純利益)」は6386億円となり、前年同期比で48.2%増と、実に1.5倍近い急拡大を見せています。
「こんなに大きな図体の企業が、これほど利益を伸ばすのか」と驚きの声が上がると、泉田氏も「かなり大きいね」と同意し、その背景にある事業構造を紐解いていきました。
【動画で解説】日立製作所、AI時代を勝ち抜く「最強のポートフォリオ」
2.2 成長を牽引する「4つのセグメント」とは
現在の日立製作所は、大きく分けて以下の4つの事業セグメント(部門)で構成されています。
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DSS(デジタルシステム&サービス): ITシステムやデジタルソリューション
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エナジー: 送変電などの電力インフラ(パワーグリッド事業など)
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モビリティ: 鉄道などの交通インフラ
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CI(コネクティブインダストリーズ): 産業機器や家電など
通期の売上見通しを見ると、CIが3兆2600億円と最も大きく、次いでエナジー(3兆1700億円)、DSS(2兆9500億円)と続きます。これを見ると、売上規模の大きいCIが最も重要だと思えるかもしれません。
しかし泉田氏は、企業を見る上で重要なのは「どこが利益を伸ばしているか」だと指摘します。本業がどれだけ現金を生み出す力があるかを示す「EBITA(エビータ)」という指標を見ると、景色が全く変わってきます。
「一番EBITAが伸びるのが何かに注目すると、このエナジーだね。パワーグリッド事業体」
実際、通期のEBITAの前年比増加額を見ると、エナジー事業がプラス1479億円と、他の事業を圧倒して利益成長を牽引していることが分かります。
著者
金融・経済YouTubeチャンネル「イズミダイズム」
「イズミダイズム」は、株式会社モニクルリサーチが運営する金融・経済YouTubeチャンネルです。フィデリティ投信や日本生命でポートフォリオマネージャーや証券アナリストとしての勤務経験のある元機関投資家の泉田良輔が、プロの視点で金融や経済に関する様々なニュースの解説や、資産形成に役立つトピックをお届けします。新NISAの開始やインフレを背景に、個人の資産運用への関心が高まる中、機関投資家と個人投資家の「視点の違い」や、経済ニュースの裏側にある「構造」をロジカルに解説します。(最新更新日:2026年1月30日)
監修者
株式会社モニクルリサーチ
代表取締役/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。その他に株式会社モニクル取締役COO、株式会社モニクルフィナンシャル取締役COOも務める。LIMO&ファイナンス編集長。東京科学大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(同研究科最優秀賞受賞)
1. 経歴
2013年に株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を原田慎司(現同社取締役)らとともに共同創業。2013年に個人投資家向け金融経済メディア「Longine(ロンジン)」を立ち上げ、編集長に就任。Longineの立ち上げの経緯はBloombergにおいて「体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南」として掲載され大きな反響を呼ぶ。投資情報のサブスクモデルを確立する。その後、株初心者向けネットメディア「株1」、2015年にはくらしとお金の経済メディア「LIMO」の前身となる「投信1」を立ち上げる。2026年6月に専門家と実務家が情報発信をする金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」を立ち上げ編集長に就任。
それ以前は、日本生命・国際投資部で外国株式ファンドマネージャー、フィデリティ投信・調査部や運用部にて10年に渡ってインターネット、電機(半導体・民生・産業エレクトロニクス)、機械(ロボットやセンサー企業中心)といったテクノロジーセクターの証券アナリストや中小型株ファンドのアシスタント・ポートフォリオ・マネージャー(最年少で就任)として従事。
2. 専門・研究領域
慶応義塾大学商学部卒業。国際金融及びコーポレート・ガバナンスを専攻。アジア通貨危機、昭和金融恐慌などの金融パニックのメカニズムを金融政策や金融機関への規制の観点から研究。それらの内容は「昭和金融恐慌からの教訓 平成恐慌になにをどう生かすべきか」(三田商学研究学生論文集)として発表。
3. 著書
・『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資』(ダイヤモンド社)
・『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』(クロスメディア・パブリッシング)
・『銀行はこれからどうなるのか』(クロスメディア・パブリッシング)
・『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』(KADOKAWA)
・『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)
4. 寄稿や講演他
「日経BizGate」での連載「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」や「現代ビジネス」、「東洋経済オンライン」、「プレジデント」などへの寄稿や対談も多数。対談記事例としては「【未来予想】ブロックチェーン革命が、「半沢直樹」の世界に終わりを告げる」や「【未来予想】アマゾンとビットコインが、次世代の「銀行」になる理由」(いずれもNewsPicks)、「米独に遅れる日本の自動運転、自動車も電機の二の舞に?」(週刊ダイヤモンド)。海外ジャーナリストからインタビューされることも多く、Financial TimesやThe Economist、Bloombergにおいて自動車や金融業界についての国内外産業動向コメントも発信している。
講演会や動画での情報発信も盛んに行っており、NewsPicksのTHE UPDATE、日経ビジネススクール、慶應丸の内キャンパス、慶應義塾SDM、アカデミーヒルズなどでも講義を行う。またNewsPicksのNewSchoolではプロジェクトリーダーとして「本当に初心者のための資産運用」を開催。
最終更新日:2026年6月26日