1.2 10年がかりの「ノンコア事業」売却とABB買収
日立製作所は2010年代に入り、自社の中心(コア)ではないと判断した事業を次々と手放し始めました。
2012年のハードディスク事業(ウェスタンデジタルへの売却)を皮切りに、日立物流、日立キャピタル(金融)、日立工機、クラリオン(カーナビ)、そして日立化成など、名だたるグループ企業や事業を断続的に売却・分離していったのです。
泉田氏はこの一連の動きを、企業の成長に不可欠なプロセスとして高く評価しています。
「断続的にコアではない事業の売却、そしてその売却した資金等を原資にして成長するための企業への投資、これを繰り返してきた形になります」
そして、事業の切り離しを進める中で、日立製作所は「攻め」の一手を打ちます。それが2020年のスイスABB社からのパワーグリッド(送変電)事業の買収です。
パワーグリッドとは、発電所でつくられた電気を変電所や送電線を通じて届けるインフラの仕組みのことです。
「2020年の7月にスイスのABBっていう会社があるんだけど、そこからパワーグリッド事業を取得し日立ABBパワーグリッドとして営業開始したので、これが1つのターニングポイントなんですよ」
この大規模な買収により、日立製作所は「何でも屋」から「社会インフラとITの会社」へと、その姿を大きく変貌させたのです。
