3. 老後資産の「取り崩し方」も重要なポイント

資産形成と同じくらい重要なのが、老後に入ってからの「取り崩し方」です。

どれだけ資産を準備できたとしても、使い方を誤ると想定より早く資金が尽きてしまう可能性があります。

基本となる考え方は、資産を一度に大きく取り崩すのではなく、一定額を計画的に取り崩していくことです。

例えば、毎月の生活費の不足分だけを補う形で引き出していくことで、資産の減少ペースを緩やかにできます。

また、すべての資産を現金化するのではなく、一部は運用を続けながら取り崩す方法も有効です。

運用を継続することで、資産の目減りを抑えながら長期間にわたって資金を維持しやすくなります。

一方で、相場が下落している局面で取り崩しを続けると、資産の減少が加速する「取り崩しリスク」にも注意が必要です。

そのため、生活費の数年分は現金で確保しておくなど、取り崩しのタイミングを分散させる工夫も重要になります。

さらに、年齢や健康状態に応じて支出は変化していきます。

前半は旅行や趣味にお金を使い、後半は医療・介護費に備えるなど、ライフステージに応じた資金配分を考えておくことも大切です。

老後の資産管理は、「いくら増やすか」だけでなく「どう使うか」まで含めて設計していきましょう。

準備した資産を長く持たせるためにも、自分に合った取り崩しのルールをあらかじめ考えておくことが重要です。

4. まとめ

新しいNISAは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用できるようになり、50代からでも老後資金づくりに活用しやすい制度となっています。

定年までの15年間でも、積立額や運用利回りによっては数百万円から1000万円超の資産形成を目指すことができ、限られた時間のなかでも準備を進める余地は十分にあります。

一方で、大切なのは「積み立てて終わり」ではないことです。

老後の生活では、資産をどのようなペースで取り崩すかによって、家計の安定感が大きく変わります。

相場の変動も踏まえながら、一部は運用を続けつつ、生活費に充てる資金は現金で確保するなど、使い方まで含めて考えておく必要があります。

老後資産を長く持たせるためにも、自分の収支や生活設計に合った活用法を考えていきましょう。

参考資料

加藤 聖人