物価の上昇が依然として続いており、家計の管理に頭を悩ませている方も少なくないでしょう。

4月も下旬に差し掛かり、新生活に伴う出費が家計に影響を与えているご家庭もあるかもしれません。

こうした状況の中、国の「重点支援地方交付金」などを財源として、各自治体が地域の実情に応じた独自の支援策を打ち出しています。

公的な給付金のなかには、書類の提出や申請が必要なケースもあり、案内を見落とさないよう注意が必要です。

この記事では、2026年度における大阪府の東大阪市、枚方市、豊中市の事例を紹介します。

あわせて、多くの給付金で対象の基準となる「住民税非課税世帯」の仕組みについても、わかりやすく解説していきます。

1. 多くの給付金で対象となる傾向にある「住民税非課税世帯」の仕組みとは

自治体が実施する給付金の支給対象は多岐にわたりますが、主な基準として「全住民」「住民税非課税世帯」「住民税均等割のみ課税世帯」などが挙げられます。

この中で「住民税非課税世帯」とは、住民税を構成する「均等割」と「所得割」の双方が全額免除となる世帯のことです。

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造1/3

個人住民税のしくみ

出所:総務省「個人住民税」

1.1 住民税の基本構造:「均等割」と「所得割」について

  • 均等割:所得額に関係なく、一定以上の所得がある方に一律で課税される部分です。
  • 所得割:前年の所得額に基づいて課税される部分で、所得が増えるほど税額も大きくなる仕組みです。

この均等割と所得割の両方が課税されない状態が「住民税非課税」です。

そして、世帯に属する全員がこの条件に当てはまる場合、その世帯は「住民税非課税世帯」と定義されます。

1.2 住民税が非課税となる世帯の具体的な条件

具体的に非課税の対象となるのは、以下のようなケースです。

  1. 生活保護法による生活扶助を受けている場合
  2. 障害者、未成年者、ひとり親、寡婦のいずれかに該当し、前年の合計所得金額が一定の基準を下回る場合
  3. 前年の合計所得金額が、各自治体が設定する非課税限度額より少ない場合

1と2の条件は全国で共通していますが、3の所得に関する基準額は、居住する自治体によって異なることがあります。

例として、大阪市のような都市部(1級地)で、同一生計配偶者や扶養親族のいない単身世帯の場合、「合計所得金額45万円以下」が非課税となる目安です。

給与収入のみの方は年収110万円以下、65歳以上で公的年金収入のみの方は155万円以下が基準となります。

一方、配偶者や扶養親族がいる世帯の場合、非課税となる収入の上限額は高くなります。

扶養親族が1人いる場合、給与収入であれば年収166万円以下、65歳以上で公的年金収入のみであれば211万円以下となり、単身世帯と比較して基準が緩和されるのが特徴といえるでしょう。

このように、住民税が非課税になるかは、世帯構成や収入源によって大きく変動します。

※同一生計配偶者とは、納税者と生計を一つにする配偶者で、前年の合計所得金額が58万円以下の人を指します。

※上記は東京23区や神戸市などの都市部(1級地)の例です。

お住まいの自治体(2級地・3級地など)によっては、非課税となる目安の金額がこれより低くなる場合がありますので、必ず各市区町村のホームページ等でご確認ください。

単身世帯のケース:合計所得金額45万円以下が目安

  • 給与収入のみの場合:年収110万円以下
  • 65歳以上で公的年金収入のみの場合:年金収入155万円以下
  • 65歳未満で公的年金収入のみの場合:年金収入105万円以下

扶養親族などが1人いる世帯のケース:合計所得金額101万円以下が目安

  • 給与収入のみの場合:年収166万円以下
  • 65歳以上で公的年金収入のみの場合:年金収入211万円以下
  • 65歳未満で公的年金収入のみの場合:年金収入171万3334円以下

以上の通り、住民税が非課税となる条件は、世帯の状況や収入の種類によって大きく異なることがわかります。

2. 【2026年度】大阪府内で給付金・支援策を実施する自治体の事例

ここでは、国の交付金を財源として2026年度に独自の給付・支援策を行う大阪府の自治体から、東大阪市、枚方市、豊中市の3市の取り組みを紹介します。

2.1 東大阪市の事例:市独自の物価高騰対策給付金

東大阪市では、すべての市民を対象とする独自の給付金に加えて、住民税非課税世帯などへの上乗せ支給も行っています。

  • 支給対象:2026年1月1日を基準日として、東大阪市に住民登録のある全市民が対象です(支給先は世帯主)。
  • 支給額:市民1人につき7000円が支給されます。さらに、世帯全員が2025年度の住民税非課税といった要件を満たす場合、1人当たり2000円が追加で支給されます。
  • スケジュール・手続方法:手続きが不要な世帯(過去の給付実績などから振込口座が特定できる世帯)には、4月上旬に「支給のお知らせ」が送付され、4月下旬に自動で振り込まれる予定です。一方で、確認が必要な世帯には4月中旬に「確認書」が届くため、必要事項を記入の上、返送しなくてはなりません。
  • 申請期限:2026年6月30日(火)

2.2 枚方市の事例:物価高騰対応の重点支援給付金

枚方市でも、全市民を対象とした基本給付のほか、市が独自に設けている福祉制度の利用者を対象とした追加給付を実施しています。

  • 支給対象:2026年2月1日を基準日として、枚方市の住民基本台帳に登録がある方です。また、同日時点で市の水道料金に関する福祉減免登録を受けている世帯も対象となります。
  • 支給額:市民1人につき4000円が支給されます。加えて、水道料金の福祉減免登録世帯には、1世帯当たり3000円が追加で支給されます(世帯主の口座に一括で振り込み)。
  • スケジュール・手続方法:原則、申請は不要です。ただし、市が口座情報を把握していない対象者には支給要件確認書などが送られますので、内容を確認した上で、電子申請、郵送、または窓口で申請手続きを行う必要があります。
  • 申請期限:2026年8月31日(月)です(郵送の場合は当日消印有効、電子申請は同日の午後11時59分まで)。

2.3 豊中市の事例:食費支援として「おこめ券」を配布

豊中市では現金ではなく、食費の負担を直接的に軽減するため、全世帯を対象に「おこめ券」の配布をすでに行っています。

  • 支給対象:豊中市内に住所のある全世帯です。
  • 支給内容:1世帯につき4400円分(440円券×10枚)の「全国共通おこめ券」が配布されます。
  • スケジュール・手続方法:事前の申請は不要なプッシュ型での支援です。2月上旬から順次配布が始まっており、3月末までには完了する見込みです。なお、不在などで受け取れなかった方には、4月下旬から5月末にかけて申し込み不要で再送される予定です。
  • 注意点:配布されるおこめ券には「2026年9月30日(水)」という有効期限が設定されているため、期限内に使い切る必要があります。

3. 公的な給付金の受け取り方法:申請が必要な場合も

コロナ禍以降、物価高騰が続く中で、このような給付金の支給は継続的に実施されています。

仕組みが整備されてきたことで、原則として申請不要のプッシュ型を導入する自治体が増加傾向にあります。

しかし、自治体から「確認書」が郵送されてきた場合は注意が必要です。

書類に記載された内容を確認し、口座情報などを記入して期限内に返送(またはオンラインで申請)しないと、給付金を受け取る資格を失ってしまいます。

提出期限を過ぎてしまうと、自動的に「給付金の受け取りを辞退したもの」と見なされるため、書類が届いたら速やかに手続きを完了させることが重要です。

また、豊中市のようにおこめ券を配布するなど、現金以外の商品券や電子クーポンで支援を行う自治体もあります。

これらには有効期限が設けられている場合が多いため、使い忘れにも気をつけましょう。

4. 自治体の情報をこまめに確認しよう

物価高騰の影響が続いている現在、国の交付金を財源とした自治体独自の支援策は、日々の生活を支える上で心強い制度といえます。

しかし、今回取り上げた大阪府の事例のように、「市民1人当たりの現金支給」や「低所得世帯への上乗せ」、「おこめ券の全世帯配布」など、支援の内容や対象者、申請期限は自治体ごとに大きく異なります。

貴重な支援を受けそびれることのないように、お住まいの自治体の広報誌や公式サイトをこまめに確認し、ご自身が対象となる場合は忘れずに手続きを進めましょう。

※当記事は再編集記事です。

参考資料