2026年3月19日、金の店頭小売価格(税込)は1グラムあたり2万7575円と高値圏で推移しています。

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直近1年間の金価格推移

出所:田中貴金属工業株式会社「金価格推移」をもとにLIMO編集部作成

こうした不透明な相場環境のなか、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)やS&P500といった株式インデックス投資をメインに運用してきた投資家の間で、ポートフォリオの安定性を高める「次の一手」として金への関心が高まっています。 株式市場が地政学リスクに揺れる局面で、インフレや不測の事態に強い「金」を組み入れることは、資産を守るための重要な戦略となるからです。

しかし、金地金など現物を手元に置く場合、購入時の手数料や盗難といったセキュリティ面での懸念がつきまといます。そこで有力な選択肢となるのが、100円といった少額から始められ、管理の手間もかからない「投資信託」を通じた金投資です。

この記事では、国内最大級の純資産総額を誇る「三菱UFJ 純金ファンド」を具体例として、株式メインの投資家が投資信託で金を保有するメリットや運用実績、ファンド選びのポイントをわかりやすく解説します。

1. 投資信託で「金」を持つ、現物保有にはない3つのメリット

金地金のような現物で保有する方法とは違い、投資信託だからこそ得られる利点があります。主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。

1.1 メリット1:100円からでも始められる手軽さ

金地金を購入しようとすると、ある程度まとまった資金が必要になります。しかし、投資信託であれば金融機関によっては100円や1000円といった少額からスタートできます。NISA口座を活用して、非課税の恩恵を受けながら運用することも可能です。

1.2 メリット2:盗難リスクや保管コストがかからない

金の現物を自宅などで保管すると盗難のリスクが伴いますし、貸金庫などを利用すれば保管料が発生します。その点、投資信託は電子データで管理されるため紛失の心配がありません。管理コストも信託報酬として支払いますが、比較的低コストに抑えられています。

1.3 メリット3:オンラインで手軽に換金でき、運用はプロに任せられる

利益を確定したい、現金が必要になったといった場面で、オンラインを通じて迅速に換金手続きができるのは、現物にはない投資信託の大きな利点です。

さらに、値動きが複雑な金市場の動向を追い、指数に連動させる運用は専門家である運用会社が行います。投資家は自分で市場を分析する手間をかけることなく、金価格の動きを自分の資産運用に取り入れることができます。

1.4 国内最大級「三菱UFJ 純金ファンド」のパフォーマンスをチェック

金に投資する投資信託の代表格として、多くの投資家から選ばれているのが「三菱UFJ 純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」です。

このファンドは、国内の金価格に連動する成果を目指して運用される商品で、「デジタルで持つ純金」と表現することもできるでしょう。近年の金価格の上昇を受けて、その運用成績は「守りの資産」という従来のイメージを覆すほどの力強い結果を示しています。

2026年3月18日時点の騰落率(分配金再投資)は、以下のようになっています。

  • 1ヵ月:+3.05%
  • 3ヵ月:+15.33%
  • 6ヵ月: +41.07%
  • 1年:+72.88%
  • 3年:+189.95%
  • 5年:+287.65%
  • 設定来:+503.07%

2. 高値掴みを避けるには?「ドル・コスト平均法」による積立投資が有効

金価格が右肩上がりの状況では、「今が天井かもしれない」「いや、まだ上がるかもしれない」と、いつ投資を始めるべきか迷う人も多いのではないでしょうか。そうしたタイミングの悩みを解決するのに役立つのが「ドル・コスト平均法」という考え方です。

現在の価格を見て一度にまとまった金額を投資するのは勇気がいるかもしれません。しかし、毎月決まった金額を買い続ける積立投資なら、価格が高いときには少しだけ、価格が安いときにはたくさん購入することになります。

この手法は、価格の上下を正確に予測しようとするのではなく、「価格は変動するもの」という前提に立ち、購入するタイミングをずらすアプローチです。

購入時期を分散させることで、長期的に見ると購入単価が平均化される効果が期待できます。そのため、一時的な価格の急落に対して過度に心配する必要がなくなります。時間を味方につけるこの方法は長期投資で特に効果を発揮しやすく、積立投資を成功させるには長期的な視点で取り組むことが重要です。

3. 金の投資信託を選ぶ際に確認したい3つのポイント

金を投資対象とする投資信託を選ぶときには、次の3つの点に注目して比較検討することをおすすめします。

3.1 ポイント1:為替変動の影響を抑える「為替ヘッジ」の有無

  • 為替ヘッジあり:為替レートの変動が基準価額に与える影響を抑える仕組みです。これにより、より純粋に金そのものの価格変動に近い値動きが期待できます。
  • 為替ヘッジなし:金価格の変動だけでなく、為替レートの動きも基準価額に影響します。円安になればプラスに、円高になればマイナスに作用するため、近年の円安トレンドではこちらが有利な結果となりました。

3.2 ポイント2:長期保有で差がつく「信託報酬」の比較

投資信託を持っている間は、運用管理費用である信託報酬が毎日かかります。積立投資は長期で続けることが前提となるため、わずかな差でも将来のパフォーマンスに影響します。できるだけ信託報酬が低いファンドを選ぶことが重要です。

3.3 ポイント3:非課税メリットを活かす「NISA成長投資枠」の対象か

ひとつ注意したいのが、金に関連するインデックスファンドの多くは、NISAの「成長投資枠」の対象であるという点です。

「つみたて投資枠」では購入できない場合がほとんどなので、NISA口座で買い付ける際は、投資枠を間違えないようにしっかりと確認しましょう。

4. 金投資の基本は「守りの資産」。ポートフォリオ分散の一環として

金という資産は、株式の配当や預金の利息のように、それ自体が収益を生み出すわけではありません。最近のような価格上昇が続くと値上がり益に期待してしまいがちですが、本来は「有事の金」といわれるように、「守りの資産」として位置づけるのが基本です。

預貯金や株式、債券など、値動きの異なる複数の資産に分けて投資するポートフォリオの中に金を加えることで、資産全体のリスクを抑え、安定性を高める効果が見込めます。

金への投資は、インフレや予測不能な経済危機から自分の資産を守るための有効な手段となり得ます。特に投資信託を利用すれば、現物を保管する手間をなくし、少額からでも専門家による運用を始められるのが魅力です。

  • 資産管理の手間はかけずに、少額からインフレなどのリスクに備えたい
  • 上昇傾向にある金価格の恩恵を、自分の資産形成にも取り入れたい

もしこのように考えているなら、第一歩として投資信託を活用した少額からの金投資を検討してみるのも一つの方法です。

※本記事は投資を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

参考資料

和田 直子