2.2 加給年金

加給年金は、厚生年金保険に25年以上加入する人が65歳になったときに、その人に生計を維持されている家族がいる場合に支給される年金です。老齢厚生年金に上乗せされる形で支給されます。

支給額は、生計を維持する家族によって変わります。支給額のほか、要件や申請手順を見てみましょう。

加給年金の支給要件・支給額・申請手順3/5

加給年金の支給要件・支給額・申請手順

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」をもとに筆者作成

支給額

  • 配偶者:23万9300円
  • 1人目・2人目の子:各23万9300円
  • 3人目以降の子:各7万9800円

支給要件

  • 配偶者:65歳未満であること
  • 1人目・2人目の子:18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子
  • 3人目以降の子:18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

申請手順

  • 1.日本年金機構のWebサイトから「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」をダウンロードする
  • 2.届出に「受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本」「世帯全員の住民票の写し」「配偶者や子の所得証明書または非課税証明書」を添付する
    ※届出に本人や加給年金額の対象者のマイナンバーを記入すれば添付不要
  • 3.年金事務所または街角の年金相談センターに書類を提出する

上記の金額に加えて、生年月日に応じて最大17万6600円の特別加算が加わります。なお、配偶者が65歳以上の場合や、子どもがすでに巣立っている場合は、加給年金を受け取れない場合があります。

申請は、所定の様式や必要書類を用意して、年金事務所などに提出する必要があります。世帯全員の住民票の写しが必要になるなど、必要な書類がやや多く、その分費用もかかりやすいです。申請準備をする際は漏れがないか慎重に確かめながら行いましょう。

2.3 高額療養費

高額療養費制度は、1ヶ月あたりの自己負担限度額を超えて医療費を支払った場合に、超えた分が全額払い戻される制度です。1ヶ月あたりの医療費の自己負担限度額は、年収によって区分されています。例として、70歳未満の人の自己負担限度額を確かめてみましょう。

高額療養費制度の自己負担限度額(70歳未満の場合)4/5

高額療養費制度の自己負担限度額(70歳未満の場合)

出所:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」をもとに筆者作成

  • 年収約1160万円〜:25万2600円+(医療費-84万2000円)×1%
  • 年収約770万円~約1160万円:16万7400円+(医療費-55万8000円)×1%
  • 年収約370万円~約770万円:8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
  • 年収~約370万円:5万7600円
  • 住民税非課税世帯:3万5400円

年金世代は「年収~約370万円」や「住民税非課税世帯」に該当しやすく、自己負担限度額が比較的低い可能性が高いです。そのため、定期的な通院・入院で限度額を超えやすく、払い戻しの恩恵を受けやすいのです。なお、医療費には入院時の食事代や差額ベッド代は含まれません。

高額療養費による払い戻しを受ける際は、加入する健康保険の窓口宛てに申請手続きをします。そのため、医療機関の窓口では一次的に医療費を全額立て替えなければなりません。ただし、マイナ保険証での受診や、加入する健康保険で限度額適用認定書を受け取り、医療機関に提出していれば、自己負担限度額を超える分の支払いが免除されます。

※2026年8月に制度改正が予定されており、限度額が引き上げられる可能性があります。