3. 【申請しないともらえない】介護保険で受けられる給付

年金や就労に加えて、シニア世代が避けて通れないのが健康状態の変化、つまり「介護」の問題です。

介護保険を上手に活用することは、自分自身の生活を守るだけでなく、家族が安心して働き続けられる環境づくりにもつながります。ここでは、生活環境の変化に備えて知っておきたい給付制度を紹介します。

3.1 自宅のバリアフリー化に使える「住宅改修費支給」

シニア世代が自宅で長く安心して暮らすために知っておきたい制度の一つが、介護保険の「住宅改修費支給」です。

年齢を重ねるにつれて、階段や浴室など自宅内の設備に危険を感じることがあります。要支援・要介護の認定を受けている場合には、こうした住宅改修にかかる費用の一部を公的制度で負担してもらえます。

【対象となる主な工事】

  • 手すりの取付け
  • 段差の解消
  • 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
  • 引き戸等への扉の取替え
  • 洋式便器等への便器の取替え
  • その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

【支給される金額】

 生涯20万円(要支援、要介護区分にかかわらず定額)

  •  住宅改修が個人資産の形成につながる面があること、賃貸住宅等に居住する高齢者との均衡等を考慮。
  •  保険給付は原則9割(上限18万円)、所得に応じて9割(上限16万円)・7割(上限14万円)
  •  限度額の範囲内であれば、複数回の申請も可能。
  •  要介護状態区分が重くなったとき(三段階上昇時)、また、転居した場合は再度20万円までの支給限度基準額が設定される。

【注意点・手続き】

住宅改修費支給について7/9

住宅改修費支給について

出所:厚生労働省「介護保険における住宅改修」

この制度で特に注意したいのは、「工事を始める前に必ず申請が必要」という点です。工事完了後に「領収書があるので支払ってほしい」と申請しても、事後申請では1円も支給されません。

住宅改修費を利用する場合は、必ず工事前に事前申請を行う必要があります。市区町村によって運用や必要書類が異なるため、ケアマネジャーや地域包括支援センター、自治体窓口に確認しながら進めることが重要です。