3. アナリストとマーケットの視点の違い

自分たちは着実に成長しているのに、外部のテクノロジー進化という要因で売られてしまうのは、企業側からすれば理不尽に思えるかもしれません。しかし、泉田氏はこれを投資における重要なリスク管理だと語ります。

「これを『テクノロジーの脅威』と言うんです。だから株式を見るときには、今やってるビジネスが新しい技術で競争のルールが変わっちゃうのでは?と、常にリスク要因として見とかないといけないんですよね。」

3.1 アナリストは予想を下げにくい

ここで1つの疑問が生じます。AIの脅威があるのなら、なぜアナリストたちはリクルートの業績予想を上方修正しているのでしょうか。泉田氏は、アナリストという職業の性質からこの矛盾を解説します。

 「アナリストはやっぱり足元の業績を見て予想するっていうのが仕事だから、ここで一気に予想を下げるって実は難しい。」

アナリストは、来期に本当にAIの影響で業績が下がるという確たる証拠(データ)がない限り、現在好調な足元の数字を無視して予想を大きく下げることはできません。

3.2 マーケットはリスクを先取りする

一方で、実際に株を売買するマーケット(市場参加者や機関投資家)の動きは異なります。彼らは、業績が悪化するという証拠が揃うのを待つことはしません。

AIによって競争のルールが変わるリスクを感じ取れば、将来の業績悪化を「先取り(織り込み)」していち早く株を売却します。

根拠を重んじるアナリストよりも、リスク回避を優先するマーケットの方が動きが早い。これが、好決算とコンセンサス上昇の中で株価が下落するという現象の正体なのです。

【動画で解説】リクルート、好決算なのになぜ株価下落?