2. 口座凍結前にATMで出金する「3つの大きなリスク」
銀行に黙って預金を引き出す行為には、以下の法的な落とし穴があります。
2.1 「単純承認」とみなされ、借金の相続放棄ができなくなる
これが最も恐ろしいリスクです。故人の財産(預金)を引き出すことで、法律上「すべての財産を引き継ぐ意思がある(単純承認)」とみなされます。
後から「実は多額の借金があった」と判明しても、相続放棄が一切認められなくなる恐れがあります。
2.2 他の相続人からの「使い込み」疑惑
ATMの出金履歴は数十年分残ります。葬儀費用に使ったとしても、領収書が不透明であれば、ほかの親族から「勝手に遺産を使った」と疑われ、遺産分割協議が泥沼化する原因になります。
2.3 税務署による「相続税の調査」
亡くなる直前や直後の多額の出金は、税務署が最も厳しくチェックするポイントです。
相続税の計算において、亡くなる前に贈与された財産を相続財産に加算する期間が、従来の「3年前まで」から「7年前まで」へと段階的に延長されています。生前の引き出しについても、より厳格な管理が求められるようになっています。