2. 「月収63.5万超は要注意」標準報酬月額の上限引き上げ「2027年から段階的に実施」

次は、厚生年金の保険料を納める仕組みについてです。

2025年6月13日に「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」が成立しました。これにより、厚生年金保険料や将来の年金額の計算に使われる「標準報酬月額」の上限が引き上げられることになります 。

厚生年金等の保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ3/5

厚生年金等の保険料や年金額の計算に使う賃金の上限の引き上げ

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

2.1 上限額の引上げスケジュール

具体的には、現在の標準報酬月額の上限65万円が今後段階的に以下のように引き上げられます。

  • 2027年9月から:68万円
  • 2028年9月から:71万円
  • 2029年9月から:75万円

2.2 負担と給付はどう変わる?

この改正は、現在の賃金水準に合わせて保険料を負担し、それを将来の年金額に反映させることを目的としています。

月収(額面)が「63.5万円」に届かない人の場合

今回の改正はあくまで「高い方の枠(上限)」を広げるもの。そのため、月収(額面)が63万5000円未満の方(標準報酬月額が62万円以下の区分の方)については、今回の改正によって保険料が上がったり、将来の年金額が変わったりすることはありません。

月収(額面)が「63.5万円」を超えている人の場合

現在、保険料の計算が「上限(標準報酬月額65万円)」の区分で止まっている方が対象です。具体的には、月収(額面)がおよそ63万5000円以上の方は、2027年から段階的に保険料の負担が増えますが、その分、将来受け取れる年金額もアップします。

「高所得者の負担増」という側面はありますが、支払った保険料は所得税の「社会保険料控除」の対象となるため、節税効果を含めた実質的な収支は人によって異なります。