来月4月は今年度最後の年金支給日を迎える節目のタイミングです。そうした中、厚生労働省は令和8年度の年金額改定を公表し、国民年金(基礎年金)は前年度比1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%の引き上げとなることが示されました。

今回の改定は、6月支給分(4月分・5月分)から反映されます。物価動向を踏まえた見直しにより、モデル世帯では月額で数千円規模の増額となる見込みです。あわせて、2027年からは「報酬上限の引き上げ」が段階的に実施される予定で、現役世代の保険料や将来の給付水準にも影響が及ぶ見通しです。本記事は、最新の調査結果をもとに、将来の年金予測と制度改正のポイントをわかりやすく解説します。

1. 厚生年金、現役生活40年の平均年収「約610万円」の男性《将来の年金額》はいくら?

働き方や生き方が多様化する今、「将来、自分はどのくらいの年金を受け取れるんだろう」と気になる方もいるでしょう。

厚生労働省は令和6年の財政検証にあわせて「多様なライフコースに応じた年金額(概算)」も公表しており、令和6年度に65歳になる人の加入期間や収入をもとに、経歴類型・男女別の令和7年度と令和8年度の年金額の見通しが示されています。

【多様なライフコースに応じた年金額(概算)】2/5

【多様なライフコースに応じた年金額(概算)】

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

1.1 ケース①:男性・厚生年金期間中心(20年以上)

《年金月額》令和7年度:17万3457円 → 令和8年度:17万6793円

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50.9万円(※賞与含む月額換算。年収換算で約610万円)
  • 内訳(令和8年度):基礎年金6万9951円/厚生年金 10万6842円

会社員として長年キャリアを積んできた標準的なモデルケースでは、令和8年度の受給額は月額で17万6793円(前年度比+3336円アップ)となる見込みです。平均年収約610万円で約40年間、着実に厚生年金に加入し続けた場合、毎月17万数千円を受け取りながら老後を送るというイメージになります。

1.2 ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心(20年以上)

《年金月額》令和7年度:6万2344円 → 令和8年度:6万3513円

  • 平均厚生年金期間:7.6年
  • 平均収入:36.4万円
  • 内訳(令和8年度):基礎年金 4万8896円/厚生年金 14万617円