2. 厚生年金「月15万円台」で老後生活は送れるのか

前章で紹介したように厚生年金の平均的な受給水準は月15万円台とされていますが、この金額で老後の生活が十分に成り立つのかは、多くの人にとって気になる点でしょう。

総務省が公表した「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」をもとに、65歳以上《単身》無職世帯の家計収支を見ていきます。

毎月の実収入:13万1456円

■うち社会保障給付(主に年金):12万212円

毎月の支出:16万1435円

■うち消費支出:14万8445円

  • 食料:4万2545円
  • 住居:1万1416円
  • 光熱・水道:1万5565円
  • 家具・家事用品:6069円
  • 被服及び履物:3049円
  • 保健医療:8388円
  • 交通・通信:1万3601円
  • 教養娯楽:1万6132円
  • その他の消費支出:3万1681円
    • うち諸雑費:1万4052円
    • うち交際費:1万6956円
    • うち仕送り金:591円

■うち非消費支出:1万2990円

  • 直接税:7072円
  • 社会保険料:5912円

65歳以上《単身》無職世帯の家計状況

  • 1カ月の赤字額:2万9980円
  • エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合):28.6%
  • 平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合):125.3%

65歳以上《単身》無職世帯における支出合計は、平均で16万1435円です。

内訳は、税金や社会保険料などの「非消費支出」が1万2990円、食費や住居費といった「消費支出」が14万8445円となっています。

一方、1カ月の収入は13万1456円で、その約9割(12万212円)が主に公的年金なります。

それにより、毎月2万9980円の赤字が生じている状況です。

月15万円台の年金は、数字だけを見ると一見「十分な収入」のように感じられますが、日々の支出と比べてみると、ゆとりある生活を送るには不安が残るケースもあります。

また、年金収入からは税金や社会保険料が差し引かれるため、受給額がそのまま生活費に使えるわけではありません。

そのため、老後の生活設計を考える際には、年金だけに頼るのではなく、就労や私的な備えを含めて検討していく姿勢が重要となるでしょう。