4. 株価下落の最大の理由は「保守的すぎる通期予想」?

業績自体は絶好調にもかかわらず、株価が下落した最大の理由として、泉田氏は「会社側が発表した通期の業績予想」だと見ています。

任天堂が発表した通期の営業利益予想は3700億円、経常利益予想は4600億円です。

しかし、第3四半期(9ヶ月間)の時点ですでに営業利益は約3000億円、経常利益は4558億円を稼ぎ出しています。

泉田氏は「第4四半期に赤字が出ない限り、この数字は絶対に上振れするはずなのに、上方修正をしていない」と指摘します。

投資家からすれば、「もしかして第4四半期に何か大きな損失が出るのではないか?」と疑心暗鬼になったり、「当然上方修正されると思っていたのに期待外れだ」と失望したりするため、結果として株価が売られる要因になったと分析しています。

泉田氏は、業績修正には関係各所への説明や資料作成などのコストがかかるため、任天堂があえて「保守的」な姿勢を貫き、修正を見送ったのではないかと推測しています。

任天堂の決算資料を解説する泉田氏1/3

任天堂の決算資料を解説する泉田氏

出所:各種データをもとにイズミダイズム作成

5. 今後の株価のカギを握る「サードパーティ」の動向

最後に泉田氏は、今後の任天堂の株価や業績を左右する重要なポイントについて語りました。

それは、任天堂以外のソフトウェアメーカー(サードパーティ)が、いかに「Nintendo Switch 2」に参画し、魅力的なソフトを出せるかという点です。

泉田氏は過去の「Wii」の事例を引き合いに出し、「Wiiリモコンのような新しいUI(ユーザーインターフェース)が登場した際、任天堂自身はそれを活かした面白い自社ソフトを作れたが、他のメーカーはどう対応していいか戸惑ってしまった」と解説。

その結果、サードパーティのソフトが充実せず、株価にもネガティブな影響を与えた過去があったと振り返ります。

Nintendo Switch 2においても、任天堂の自社ソフトが売れることはもちろんですが、他のメーカーが新しいハードの特性を活かしてエコシステム(独自の経済圏)全体を盛り上げられるかどうかが、中長期的な成長と株価上昇のカギになると結論づけています。

任天堂、売上倍増なのになぜ株価は下がる?理由を動画で見る