50歳代に入ると、老後に向けた資金準備を本格的に意識し始める人が増える一方で、十分な貯蓄を確保できていないケースも少なくありません。
「今から準備を始めても間に合うのだろうか」「どうすれば将来の不安を減らせるのか」と悩む声も多く聞かれます。
そうした中で関心を集めているのが、運用益が非課税となる「新NISA」です。
本記事では、50歳から65歳までの15年間、毎月5万円を新NISAで積み立てた場合を想定し、どの程度の資産形成が期待できるのかをシミュレーションしていきます。
1. 【世帯別】50歳代の平均貯蓄額はいくら?格差が鮮明に
まずは、金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」を参考に50歳代の平均貯蓄額について見ていきましょう。
1.1 【50歳代・単身世帯】平均貯蓄額と貯蓄割合をチェック
金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、50歳代・単身世帯の平均貯蓄額と貯蓄割合は以下のとおりです。
- 金融資産非保有:35.2%
- 100万円未満:10.1%
- 100~200万円未満:7.4%
- 200~300万円未満:4.6%
- 300~400万円未満:2.7%
- 400~500万円未満:3.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.0%
- 1500~2000万円未満:3.3%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:10.4%
- 無回答:1.9%
- 平均:999万円
- 中央値:120万円
1.2 【50歳代・二人以上世帯】平均貯蓄額と貯蓄割合をチェック
金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、50歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と貯蓄割合は以下のとおりです。
- 金融資産非保有:18.2%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満:6.4%
- 200~300万円未満:4.1%
- 300~400万円未満:3.5%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:6.7%
- 700~1000万円未満:7.7%
- 1000~1500万円未満:9.3%
- 1500~2000万円未満:6.1%
- 2000~3000万円未満:8.1%
- 3000万円以上:18.8%
- 無回答:2.2%
- 平均:1908万円
- 中央値:700万円
単身世帯では平均がおよそ999万円である一方、中央値は120万円にとどまり、二人以上世帯でも平均1908万円に対して中央値は700万円となっています。
これは、一部の高額な金融資産を保有する世帯が全体の平均を押し上げている結果といえるでしょう。
加えて、金融資産をほとんど持たない世帯が、単身世帯で約3割、二人以上世帯でも約2割存在している点は見逃せません。
50歳代は、老後までの期間が徐々に短くなる一方で、収入面では比較的安定している一つの節目の時期といえます。
この時期にどの程度の準備ができているかが、60歳代以降の暮らしに大きく影響します。
すでに貯蓄がある場合は資産の維持や活用を、十分でない場合は今後の積み上げ方を考えるなど、資産形成の方向性を見直す段階に入っているといえるでしょう。
こうした状況を踏まえると、預貯金だけに頼るのではなく、税制面のメリットを生かした資産づくりを意識することが重要になります。
次章では、50歳代からでも検討しやすい制度として、新NISAを活用した資産形成について見ていきます。