新NISAの普及にともない、投資信託だけでなく「ETF(上場投資信託)」への関心が高まっています。しかし、「何が違うのか」「どんなメリットがあるのか」と悩む投資家も少なくありません。

本記事では、ファンドアナリストの篠田尚子さんが金融経済YouTubeチャンネル「ミライド」で解説した、ETFの基本構造や投資信託・株式との違い、具体的な活用シーンをまとめます。

1. ETFは「中身は投資信託、取引は株式と同じ」

ETF(Exchange Traded Funds)は、日本語で「上場投資信託」と呼ばれます。篠田さんは、その性質について「中身は投資信託ですが、株式と同じように証券取引所に上場しているため、取引時間中であればリアルタイムでの売買ができるところに特徴があります」と説明しています。

そもそもETFとは:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」へ1/7

出所:金融経済Youtubeチャンネル「 ミライド

1.1 国内で購入できる2種類のETF

日本で購入できるETFには、主に2つのタイプがあります。

・国内籍ETF:日本の法律に基づいて組成され、日本円で取引。
・外国籍(海外)ETF:海外の法律に基づいて組成され、主に米ドルなどの外貨で取引。

篠田さんは「近年は米国ETFが流行している」と話し、その要因の一つとして、「マーケットが好調だったことに加え、1株単位から取引できる手軽さが人気を後押しした」と説明します。国内籍ETFは銘柄によって売買単位が異なりますが、米国ETFは1株単位での取引が主流のため、少額からでも購入できるところが特徴です。

ETFの特徴とは:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」へ2/7

出所:金融経済Youtubeチャンネル「 ミライド

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2. ETFの3つの特徴と投資信託との違い

篠田さんは、ETFと一般的な投資信託の違いについて、特に「価格の決まり方」だと強調します。ここからはその違いを意識して、ETFの3つの特徴についてお伝えします。

2.1 特徴1:売買時のリアルタイム性

一般的な投資信託は、1日1回算出される「基準価額」で取引されます。そのため、注文を出した時点では、実際にいくらで売買できるかは分かりません。これは、投資家同士の公平性を保つために設けられた、投資信託ならではの仕組みです。

一方、ETFは市場が開いている間、株式と同様に、リアルタイムで価格が変動します。そのため、値段を指定しない「成行(なりゆき)注文」だけでなく、自分の希望価格を指定して取引する「指値(さしね)注文」ができる点が大きな特徴です。

この特徴について、篠田さんは「中身は投資信託でありながら、自分の好きなタイミングと価格で注文が出せる」という利便性を強調しています。

指値注文と成行注文:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」へ3/7

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2.2 特徴2:手数料が相対的に低い

ETFは、一般的な投資信託に比べて保有コストである「信託報酬」が低い傾向にあります。その主な理由は、信託報酬の中に「販売会社」へ支払う報酬(代行報酬)が含まれていないためです。

投資信託の信託報酬は、「販売会社(証券会社など)」「運用会社(委託会社)」「受託会社(銀行など)」の3社に分配されます。これに対し、ETFは投資家が証券取引所を通じて直接売買するため、販売手数料に相当する報酬が含まれていません。そのためETFは、投資信託よりもコストが抑えられる傾向があります。

ただし、ETFの場合、株式と同じ売買手数料の形態となるため、売買のたびに証券会社の手数料がかかる点には注意が必要です。もっとも、NISA口座を利用していれば、売買手数料が無料となるケースも多くあります。なお、対象商品や条件は証券会社によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

コスト構造について:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」へ4/7

出所:金融経済Youtubeチャンネル「 ミライド

さらに、ETFには株式と同様に、「スプレッド」という見えにくいコストが存在します。スプレッドとは、買いたい時と売りたい時の価格の「差」のことを指します。取引が少ない(流動性が低い)銘柄ほど、この差が広くなる傾向があります。篠田さんは、「信託報酬の低さだけでなく、スプレッドがどのくらい開いているのかもしっかり見た上で銘柄を選ぶことが大切です」と説明します。

スプレッドについて:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」へ5/7

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2.3 特徴3:分配金の透明性が高い

分配金の仕組みについても、ETFと投資信託では違いがあります。投資信託は、運用で得た利益を分配金として支払わずに、ファンド内で内部留保することができます。

一方、ETFは制度上、収益を内部留保することができず、決算時に投資家に分配する仕組みとなっています。したがって、分配金を再投資したい場合は、投資家自身が受け取った分配金を使って、あらためてETFを購入する必要があります。この際、売買手数料やスプレッドなどのコストが発生する点には注意が必要です。

分配金の構造について:詳しくは金融経済YouTube「ミライド」へ6/7

出所:金融経済Youtubeチャンネル「 ミライド

一見すると不便に感じられる仕組みですが、実はそこには大きなメリットがあると、篠田さんは指摘します。

一般的な投資信託の分配金は、運用が思うようにいかず十分な利益が出ていない場合でも、投資した元本を取り崩す形で支払われるケースがあります。これに対してETFは、あくまで運用によって得られた利益の範囲内で分配が行われます。

そのため、再投資の手間はかかるものの、「今回はこれだけ利益が出たから、これだけ戻ってきたのだな」と成果が分かりやすく、分配金の透明性が高い点が大きな特徴だと、篠田さんは解説しています。

3. 積立は「投資信託」、リアルタイム投資なら「ETF」

ETFと投資信託は、価格の決定方法や購入方法、保有コストなどに大きな違いがあります。「どちらがいいかではなく、目的とする投資スタイルによって使い分けるべき」だと篠田さんは説明します。

  • 投資信託:積立や少額投資に最も向いている。基準価額で取引されるため、細かなタイミングをあまり気にせず、着実にコツコツと資産形成をしたい場合に適している。
  • ETF:リアルタイム性を活かし、マーケットのタイミングを見ながら一括投資をしたい場合に適している。指値注文もできるため、機動性を持たせた売買が可能で、「タイミングを意識した投資信託」のような使い方ができる点も特徴。

投資信託とETFのそれぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。

4. ポイントまとめ

・ETF(上場投資信託)は、株式と同じようにリアルタイムで売買が可能
・表面的な信託報酬は低いものの、スプレッド(価格差)が発生する場合がある
・収益は原則、全額分配される。再投資は投資家自身が手動で行う
・積立、少額投資には投資信託、一括やタイミング重視の投資にはETFが適している

動画はこちらからご覧ください

詳しくは金融経済Youtubeチャンネル「ミライド」へ7/7

出所:金融経済Youtubeチャンネル「 ミライド