2. ゆとりある老後を迎えるには、現役時代の準備が大事
老後にゆとりを持って暮らせるかどうかは、年金の額だけで決まるものではありません。
現役時代にどのような準備をしてきたかが、老後の家計に大きく影響します。
公的年金は老後の収入の土台にはなりますが、生活費のすべてを賄えるとは限らず、医療費や介護費など想定外の支出が発生する可能性もあります。
そのため、現役のうちから「年金はいくらもらえそうか」「老後の生活費はいくらかかりそうか」を把握し、不足しそうな分をどう補うか考えておくことが重要です。
具体的には、先取りで貯蓄や積立を行う仕組みをつくること、退職後も無理のない範囲で働く選択肢を視野に入れること、住居費や固定費を見直して老後の支出を抑える準備を進めることが挙げられます。
こうした取り組みを現役時代から少しずつ重ねておくことで、老後になってから慌てることなく、収入と支出のバランスを保った生活を送りやすくなるでしょう。
2.1 NISAやiDeCoを活用した資産形成も視野に
現役時代の準備を進めるうえでは、預貯金だけに頼らず、税制優遇制度を活用した資産形成も検討したいところです。
代表的なのが、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった制度です。
これらは、運用で得られた利益に税金がかからない、あるいは掛金が所得控除の対象になるなど、長期の資産形成に適した仕組みが整っています。
特に、老後資金づくりは短期間で一気に進めるものではなく、時間をかけて積み上げていくことが前提になります。
NISAやiDeCoを活用して少額から積立を続けることで、価格変動の影響を平準化しながら、無理のないペースで資産を育てていくことが可能です。
また、iDeCoは原則として60歳まで引き出せない一方、その制約が「老後まで使わないお金」を確実に確保する仕組みとして機能します。
NISAは資金の引き出しやすさがあり、ライフステージの変化に応じて柔軟に対応しやすい点が特徴です。
それぞれの制度の性格を理解したうえで使い分けることで、現役時代から老後を見据えた資産形成を、より現実的に進めていけるでしょう。