75歳になると、自動的に公的医療保険が「後期高齢者医療保険制度」に切り替わります。では、後期高齢者医療保険の保険料はいくらなのでしょうか。
本記事では、年収別に高齢者医療保険料の目安額をシミュレーションします。
2026年4月から加算されている「子ども・子育て支援金」についても紹介します。
1. 後期高齢者医療保険料の平均はいくら?
まずは、後期高齢者医療保険料の平均額を確認しましょう。
後期高齢者医療保険料の全国平均額は、月額7989円です。
ただし、後期高齢者医療制度は、各都道府県に設置された「広域連合」が運営しており、保険料率や算定方法は地域ごとに決められています。そのため、同じ年齢・収入水準であっても、地域が違えば負担額に差が生じることには注意が必要です。
ご参考までに都道府県別の後期高齢者医療保険料(医療分)の平均月額を金額が高い順に見てみましょう。
- 東京都 1万352円
- 神奈川県 9842円
- 愛知県 9045円
- 大阪府 9010円
- 沖縄県 8731円
- 奈良県 8622円
- 福岡県 8330円
- 兵庫県 8301円
- 京都府 8280円
- 千葉県 8237円
- 埼玉県 8189円
- 佐賀県 8159円
- 石川県 8065円
- 滋賀県 8051円
- 岡山県 7891円
- 福井県 7840円
- 山口県 7836円
- 広島県 7831円
- 静岡県 7415円
- 香川県 7388円
- 岐阜県 7317円
- 富山県 7296円
- 北海道 7295円
- 大分県 7283円
- 三重県 7263円
- 鹿児島県 7174円
- 茨城県 7128円
- 熊本県 7088円
- 山梨県 7070円
- 宮城県 6933円
- 群馬県 6877円
- 徳島県 6829円
- 和歌山県 6771円
- 高知県 6747円
- 長野県 6745円
- 鳥取県 6568円
- 島根県 6561円
- 栃木県 6476円
- 長崎県 6192円
- 愛媛県 6186円
- 山形県 6014円
- 宮崎県 5875円
- 新潟県 5852円
- 秋田県 5847円
- 福島県 5744円
- 岩手県 5496円
- 青森県 4990円
- 全国 7989円
このような差が生じる背景には、加入者数や医療費の水準、給付額の多さ、地域ごとの賃金水準などが関係しています。高齢者人口が多く医療費がかさみやすい地域では、保険料も高くなりやすい傾向があります。
2. 【年金収入150万・200万・300万】後期高齢者医療保険料をシミュレーション!
後期高齢者医療保険料は、全員が一律で負担する「均等割」と所得に応じて増える「所得割」の2つを合算して決まります。そのため、年金収入の額によって実際の保険料負担は異なります。
ここでは例として、東京都新宿区(東京都後期高齢者医療広域連合)の2026年度(令和8年度)からの計算方法を見てみましょう。
全員が一律で負担する「均等割」は年額5万4600円、所得に応じて増える「所得割」は「所得金額×10.14%」となっており、これらを合算した金額が保険料となります(※一部軽減措置あり)。なお、保険料は年額87万1000円が上限です。
年金収入150万円・200万円・300万円の3パターンでシミュレーションしてみます。保険料を算定する際には、公的年金等控除(最低110万円)と基礎控除(一律43万円)が適用されます。
これらを踏まえて計算すると、年金収入別に見た後期高齢者医療保険料は以下のとおりです(※単身世帯で他に所得がない場合)。
2.1 【年収別】後期高齢者医療保険料
年収 後期高齢者医療保険料
- 150万円:年額 1万5200円(月額 約1266円)
- 200万円:年額 9万1200円(月額 7600円)
- 300万円:年額 20万3600円(月額 約1万6966円)
年金収入150万円の場合は所得が0円となるため、均等割のみの負担で済み、保険料は比較的低い水準に抑えられます。全国平均に近い負担感となるのは、年金収入200万円前後です。
一方、年金収入が300万円程度になると、収入は多いもののその分保険料の負担も増えるため、手取り額は思ったほど多くならないケースもあります。
3. 2026年4月からは「子ども・子育て支援金」が加算
2026年4月からは医療保険料に「子ども・子育て支援金」が上乗せされています。
これは、児童手当の拡充や妊娠・出産・育児期の支援強化といった、子ども・子育て施策の財源を確保するための仕組みで、こども家庭庁を中心に制度設計が進められています。
支援を受けるのは主に子育て世帯ですが、財源は社会全体で支える仕組みとなっており、医療保険の加入者などが負担することになります。後期高齢者医療制度に加入している人も、この支援金の負担対象です。
たとえば、単身世帯で年金収入のみの場合、年収80万円〜150万円程度では月額50円程度、年収175万円では月額100円程度、年収200万円では月額200円程度の負担となります。
こちらも都道府県別で平均月額を見てみましょう。平均額が高い順に並べています。
- 東京都 265円
- 神奈川県 243円
- 愛知県 215円
- 千葉県 213円
- 埼玉県 210円
- 茨城県 204円
- 奈良県 203円
- 沖縄県 203円
- 静岡県 195円
- 広島県 194円
- 京都府 193円
- 大阪府 191円
- 福井県 190円
- 兵庫県 190円
- 三重県 186円
- 宮城県 185円
- 岐阜県 185円
- 滋賀県 184円
- 石川県 183円
- 長野県 183円
- 富山県 182円
- 山梨県 182円
- 香川県 182円
- 岡山県 179円
- 福岡県 176円
- 群馬県 174円
- 栃木県 173円
- 北海道 172円
- 新潟県 168円
- 山口県 167円
- 島根県 165円
- 佐賀県 163円
- 熊本県 161円
- 和歌山県 159円
- 岩手県 158円
- 鳥取県 158円
- 高知県 157円
- 大分県 156円
- 山形県 155円
- 福島県 154円
- 徳島県 154円
- 長崎県 154円
- 愛媛県 153円
- 鹿児島県 151円
- 宮崎県 145円
- 秋田県 144円
- 青森県 115円
- 全国 194円
4. 自分の医療保険料を確認しよう!
後期高齢者医療保険料は、年金収入や住んでいる地域によって負担額が異なります。
また、2026年4月からは「子ども・子育て支援金」が加算されています。
月額では数十円から数百円程度の増加でも、年額で見ると負担感が変わる人もいるでしょう。
保険料は年金から天引きされるケースが多いため、気づかないうちに負担が増えていることもあります。保険料の通知書や年金振込額を確認し、自分がいくら支払っているのかを把握しておくことが大切です。制度の変更点を正しく理解し、今後の家計管理に役立てましょう。
参考資料
苛原 寛