年金やその他所得の合計額が一定基準以下の年金受給者に対して、年金に上乗せして年金生活者支援給付金が支給されます。基礎年金の種類などにより支給額は異なりますが、月額約5000円で、年金支給日には2ヵ月分の約1万円が上乗せされる可能性があります。
しかし、給付金は自動的に振り込まれるわけではなく、受給するには申請が必要です。
本記事では、2026年4月からの支給額や、支給対象となる方の要件を解説していきます。2026年度分の増額は6月の支給日より反映されていますので、ご自身の受給状況をしっかり確認し、7月以降の生活設計に合わせて家計を整えていきましょう。
1. この記事の3つのポイント
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公的年金にプラスして2カ月に1回のペースで給付金を受けとれる -
受給の要件を満たす限り、ずっと支給される恒久的な制度 -
対象者であっても自動的に支給されない。請求書を日本年金機構へ提出する
2. 2026年4月から年金生活者支援給付金から増額に
年金生活者支援給付金は、国民年金や厚生年金と同様に、毎年支給額が改定されます。2026年1月23日、2025年の平均の全国消費者物価指数の公表を踏まえ、2026年度の年金額は国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%引き上げられます。
そして、年金生活者支援給付金は3.2%の引き上げとなることが決定しました。
年金生活者支援給付金は、受給する基礎年金の種類によって、以下の3種類に分かれます。
- 老齢基礎年金受給者:老齢年金生活者支援給付金(または補足的老齢年金生活者支援給付金)
- 障害基礎年金受給者:障害年金生活者支援給付金
- 遺族基礎年金受給者:遺族年金生活者支援給付金
2026年度の支給額の、それぞれの水準は以下の通りです。
- 老齢年金生活者支援給付金:5620円(+170円)
- 障害年金生活者支援給付金(1級):7025円(+212円)
- 障害年金生活者支援給付金(2級):5620円(+170円)
- 遺族年金生活者支援給付金:5620円(+170円)
※いずれも月額。()内は前年度比。
老齢年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金は月額5620円で、昨年度より170円の増額です。障害年金生活者支援給付金は1級の場合が7025円、2級の場合が5620円で、それぞれ212円、170円引き上げられています。
ただし、老齢年金生活者支援給付金の金額はあくまでも基準額であり、実際には保険料納付済期間等に応じて調整されます。
3. 年金生活者支援給付金がもらえる人の要件
3つの年金生活者支援給付金は、それぞれどのような方がもらえるのか支給要件を確認していきましょう。
3.1 老齢年金生活者支援給付金
老齢年金生活者支援給付金の支給対象になるのは、以下の要件をすべて満たしている方です。
- 65歳以上の老齢基礎年金受給者である
- 世帯内の全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金等の収入金額※1とその他所得の合計額が次の金額以下である※2
・昭和31年4月2日以後生まれ:90万9000円以下
・昭和31年4月1日以前生まれ:90万6700円以下
※1 障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まない
※2 以下の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」の支給対象
・昭和31年4月2日以後生まれで80万9000円を超え90万9000円以下
・昭和31年4月1日以前生まれで80万6700円を超え90万6700円以下
3.2 障害年金生活者支援給付金
障害年金生活者支援給付金の支給対象になるのは、以下の要件をすべて満たしている方です。
- 障害基礎年金受給者である
- 前年の所得が、479万4000円以下※である
※扶養親族等の人数に応じて増額される
3.3 遺族年金生活者支援給付金
遺族年金生活者支援給付金の支給対象になるのは、以下の要件をすべて満たしている方です。
- 遺族基礎年金受給者である
- 前年の所得が、479万4000円以下※である
※扶養親族等の人数に応じて増額される
4. 受給するには申請手続きが必要
年金生活者支援給付金を受給するためには、自分から申請手続きをする必要があります。申請方法は、すでに国民年金を受給中である場合や新規で受給する場合、また、繰上げ受給をしている場合とで異なります。
4.1 国民年金を受給中の場合
老齢基礎年金を受給中であり、新たに年金生活者支援給付金の対象者になった方には、9月1日以降、年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が順次送付されます。
年金生活者支援給付金請求書(はがき型)に、氏名など必要事項を記入のうえ、同封されている目隠しシールを貼り、切手を貼付して郵送します。
なお、一度給付金の支給が認められれば、翌年以降も支給要件を満たしている場合、原則として再度申請手続きを取る必要はありません。
4.2 国民年金を新規で請求する場合
65歳からの年金受給開始に際し、年金生活者支援給付金の支給対象になる方に対して、65歳になる3ヵ月前に、年金請求書(事前送付用)に同封して給付金請求書が送付されます。
同封されていた場合は、給付金請求書に必要事項を記入のうえ、公的年金の請求書とあわせて年金事務所に提出します。
4.3 老齢基礎年金を繰上げ受給している方
老齢基礎年金を繰上げ受給している方のうち、年金生活者支援給付金の支給対象となる方に対し、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの場合は前月の初旬)に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。
年金生活者支援給付金請求書(はがき型)に氏名などを記入し郵送するほか、電子申請でも手続きが可能です。
5. おわりに
2026年度に支給される年金生活者支援給付金は、昨年度よりも3.2%の増額となります。
先の見えない物価高による生活費の不足が、少しでも解消することが期待されます。
ただし、給付金を受け取るには自分で手続きをする必要があるため、申請書類がお手元に届いた際には速やかに申請をとりましょう。
また、国や自治体ではさまざまな公的サポートを設けています。広く周知されていないものについては「気づいたときには申請期限が切れていた…」というケースも。
どんなサポート制度があるのか、活用できそうなものがあるかを情報として知っておくだけで”もらい損ね”を防ぎやすくなります。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎える方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」
木内 菜穂子
