1. この記事を読むとわかる3つのポイント
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東京ディズニーシー25周年イベント効果で、売上高・営業利益は四半期として過去最高 -
客単価(ゲスト1人当たり売上高)は過去最高を更新、商品・飲食収入の伸びとホテルの客室単価上昇がけん引 -
026年9月30日を基準日に、上場30周年記念の特別株主優待を実施。100株保有・保有期間問わずで1デーパスポートがもらえる
東京市場では、AI・半導体関連株への物色が続くなか、個別に好材料が出た銘柄には大きな値動きが出やすい地合いが続いています。
こうしたなか、ディフェンシブ株として7月31日の東京株式市場でひときわ大きな値動きを見せたのが、オリエンタルランド(4661)です。
前日30日の取引終了後に発表した2027年3月期第1四半期決算が市場予想を上回る内容だったことを受け、31日の株価は前日比+8%を超える急伸となり、取引時間中に年初来高値を更新。
前日比247円高(+8.46%)の3,167円と、この日の最も高い水準で取引を終える「高値引け」となりました。
好決算の背景にあるのが、東京ディズニーシー25周年イベントを追い風にした「客単価」の過去最高更新です。
本記事では、その中身を詳しく見ていきましょう。
2. 決算ハイライト:売上高・営業利益は四半期として過去最高
2027年3月期第1四半期(2026年4月1日~6月30日)の連結業績は以下の通りです。
- 売上高:1,807億円(前年同期1,637億円、+10.4%)
- 営業利益:477億円(同387億円、+23.1%)
- 経常利益:583億円(同392億円、+48.6%)
- 四半期純利益:412億円(同274億円、+50.3%)
売上高・営業利益は、四半期としては過去最高を記録しました。
経常利益の伸び率が特に大きいのは、ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄への出資案件に関連してホテルを売却したことなどにより、営業外収益が122億円(前年同期14億円)に急増したためです。
通期の業績予想は現時点で据え置かれています(詳しくは後述します)。
3. そもそも「客単価」とは?売上高を要素分解して読み解く
小売業の決算では「既存店売上高」が重視されますが、テーマパーク事業を展開するオリエンタルランドの決算では「入園者数」と「客単価(ゲスト1人当たり売上高)」の2つが売上高を動かす両輪です。
売上高=入園者数×客単価(ゲスト1人当たり売上高)
今回の増収は入園者数・客単価の両方が増加したことによるものですが、なかでも際立つのが客単価の伸びです。
同社は「ゲスト1人当たり売上高は過去最高」になったと説明しています。
3.1 客単価はなぜ伸びたのか?商品・飲食収入がけん引
客単価の伸びの中身を、テーマパーク事業の収入区分別データから見ていきましょう(億円未満四捨五入、前年同期比)。
- アトラクション・ショー収入:703億円(654億円、+7.5%)
- 商品販売収入:472億円(390億円、+21.0%)
- 飲食販売収入:263億円(237億円、+11.3%)
- その他収入:36億円(32億円、+12.5%)
4項目とも増加しましたが、伸び率が突出しているのが商品販売収入(+21.0%)です。
同社は東京ディズニーシー開業25周年を記念した「東京ディズニーシー25周年“スパークリング・ジュビリー”」(2026年4月15日~2027年3月31日開催)に関連したグッズ販売の増加を要因に挙げています。
飲食販売収入(+11.3%)についても、25周年関連のスペシャルメニューやフードスーベニアの販売が伸びたことが押し上げ要因です。
一方、アトラクション・ショー収入の伸びは「若干上回った」水準にとどまっており、有料の待ち時間短縮サービス「ディズニー・プレミアアクセス」の利用増が主な要因とされています。
つまり今回の客単価上昇は、アトラクション自体の価格改定というより、25周年関連の物販・飲食メニューへの支出拡大による押し上げだと読み取れます。
この増収効果に、商品・飲食原価率の改善(+6億円の増益効果)も加わった一方、人件費の増加(▲8億円)や25周年イベント関連費用の増加(▲6億円)などのコスト増もありました。
それでも売上高の伸びが上回り、テーマパーク事業の営業利益は378億円(前年同期292億円、+29.3%)と大幅増益になっています。
3.2 ホテル事業も「単価」上昇で稼ぐ力を強化
テーマパーク事業だけでなく、ホテル事業でも「単価」の上昇が業績を押し上げています。
ホテル事業の売上高は292億円(前年同期285億円、+2.7%)、営業利益は92億円(同91億円、+0.9%)と、いずれも四半期として過去最高でした。この背景にあるのが、ディズニーホテルの客室単価上昇です。
- 客室稼働率:95.2%(前年同期94.0%、+1.2ポイント)
- 平均客室単価:67,036円(前年同期66,534円、+502円、+0.8%)
稼働率がすでに95%を超える高水準にあるなかで、単価も底上げされていることが分かります。
ディズニーホテルの売上高は270億円(前年同期261億円、+3.7%)と伸びた一方、それ以外の「その他ホテル」の売上高は22億円(同24億円、▲7.8%)と減少しており、ディズニーホテル単体の稼働率・単価上昇が事業全体をけん引した形です。
4. 今後の客単価向上策:秋以降はチケット価格の見直しも
同社は今後、客単価をさらに引き上げる施策を予定しています。
- パークチケット:価格帯構成比の変更に加え、新たな高価格帯チケットを追加(2026年10月10日~)
- ディズニー・プレミアアクセス:対象施設を追加(2026年9月1日~)するほか、一部対象パレードの価格を改定(2026年9月16日~)
入園者数を伸ばす施策としては、東京ディズニーシー25周年イベントが2027年3月31日まで継続するほか、夏季には「サマー・クールオフatTokyoDisneyResort」(2026年7月2日~9月14日)や、学生限定の「カレッジパスポート」(2026年9月1日~9月30日発売)などの多様な券種を投入します。
一方でホテル事業は、東京ディズニーリゾート45周年に向けて、東京ディズニーセレブレーションホテル(2026年7月1日~2027年3月31日)、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ(2026年8月19日~2027年7月20日)、東京ディズニーランドホテル(2027年1月4日~2027年3月14日)で大規模な客室修繕工事を予定しており、稼働率や売上高への一時的な影響が出る可能性がある点は留意が必要です。
5. 通期業績予想はなぜ据え置き?
第1四半期は客単価・入園者数の増加により、会社の期初予想を上回る増収増益となりました。それにもかかわらず、2027年3月期第2四半期(中間期)および通期の業績予想は据え置かれています。
同社側は、東京ディズニーシー25周年イベントの好調は認めつつも、「天候などによる影響は不透明であるため」と説明しており、夏場の天候次第で入園者数が変動しうることへの慎重姿勢がうかがえます。
通期の会社予想は、売上高7,243億円(前期比+2.8%)、営業利益1,608億円(同▲4.5%)などとなっており、第1四半期の伸び率と比べると保守的な水準にとどまっている点は覚えておきたいところです。