3. 障害年金、いつ・どうやって選ぶ?「年金請求時」の選択手続き

複数の年金受給権を持つときは、後から受給権が発生した年金の請求手続き時に受給する年金の選択が必要です。

それぞれの年金額や課税額などを考慮してどの年金を選択するかを決めます。次のケースを例に、手続きの流れを見ていきましょう。

  • 障害基礎・厚生年金の受給者
  • 63歳で「特別支給の老齢厚生年金」の受給権発生
  • 65歳で老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給権発生

63歳になったら、特別支給の老齢厚生年金の請求手続きを行います。同時に、特別支給の老齢厚生年金または障害基礎・厚生年金のどちらかを選択し、「年金受給権選択申出書」を日本年金機構に提出します。

65歳時に、「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」を提出するとともに、「老齢年金との併給」で解説した3パターンから1つを選択して、選択申出書を提出します。

郵送でも手続き可能ですが、年金額などを比較・検討するために年金事務所で相談・手続きすることをおすすめします。

4. 障害年金、年金受給「65歳以上」で損しない選び方《社労士が解説》

65歳以上で障害年金と老齢年金の受給権を持つ場合「損しない選択」の考え方を紹介します。

4.1 障害基礎年金と老齢基礎年金の選択

障害基礎年金と老齢基礎年金の両方の受給権を持つ場合、障害基礎年金を選択するのが一般的です。次の通り、障害基礎年金の方が年金額が高くなるケースが多いからです。年金額は1956年4月2日以後生まれの人の2026年度の年金月額です。

  • 老齢基礎年金:満額(40年間保険料納付した場合)は7万608円
  • 障害基礎年金1級:8万8260円(2級の1.25倍)
  • 障害基礎年金2級:7万608円

年金保険料の未納などにより老齢基礎年金が満額を下回る場合、障害基礎年金の方が年金額は多くなります。ただし、老齢基礎年金に振替加算や付加年金が加算されて年金額が83万1700円を超える場合、障害基礎年金2級の方が年金額は少なくなるので注意しましょう。

障害年金の受給額イメージ4/4

障害基礎年金 ・ 障害厚生年金 の 等級 と 年金額

出所:日本年金機構「障害年金ガイド令和7年度版」

4.2 障害厚生年金と老齢厚生年金の選択

障害厚生年金と老齢厚生年金の両方の受給権を持つ場合、年金事務所などで具体的な年金額を確認し選択する年金を決めましょう。障害認定日以降の厚生年金加入状況によって、障害厚生年金と老齢厚生年金のどちらが多いかが変わってくるからです。

障害厚生年金は障害認定日までの厚生年金加入実績を基に年金額を計算し、老齢厚生年金は65歳までの加入実績を基に計算します。

4.3 障害年金と老齢年金が同額の場合

障害基礎年金と老齢基礎年金、障害厚生年金と老齢厚生年金の金額がどちらも同じ場合、障害年金を選択するのが一般的です。障害年金は非課税であるのに対し、老齢年金は課税対象となるからです。

老齢年金の方が受給額が多いが所得税などが発生する場合、どちらが得かを計算することが難しいケースもあります。この場合、税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。