3. 遺族厚生年金の問題点とは
現行の遺族厚生年金の問題点は、男女間で受給金額やタイミングに差があることです。具体的には、以下のとおりです。
- 夫を亡くした妻は30歳未満であれば5年間の給付、30歳以上であれば終身の給付を受けられる。また、夫を亡くしたときに40歳〜65歳未満で子がいない場合は、中高齢寡婦加算が支給される。
- 妻を亡くした夫は就労して生計を立てられることから、子のない夫は55歳になるまで受給権を得られない。また、中高齢寡婦加算に該当する制度も存在しない。
妻は遺族厚生年金や中高齢寡婦加算などにより、老齢年金の受給が始まる65歳まで一定の収入が保障されます。しかし、夫は受給権を得たとしても、最短で55歳からしか受給できません。このように、保障の手厚さが性別で異なるため、公平性に欠ける制度となっています。この差を解消すべく、国は制度改正に着手したのです。
しかし、子どものいない人への受給期間の制限は、対象年齢が30歳未満から60歳未満に拡大されるため、改正を不安視する人もいるでしょう。現代では夫婦2人のみで暮らし続けることも当たり前になってきました。多様化する家庭のあり方が考慮されなかったことから、今回の改正が年金への信頼をさらに損なう可能性もあるでしょう。
次章では、遺族厚生年金が5年給付となった際のライフプランについて解説します。
