5. 老後のお金は「制度理解」がスタート地点

老後資金について考え始めたとき、「何から手をつければよいのか分からない」と感じる人は少なくありません。

新NISAやiDeCoといった制度が注目されやすい一方で、老後のお金の準備=投資や貯蓄から始めるもの、というイメージが先行しがちです。

しかし実際には、その前に押さえておきたいのが、公的制度の全体像です。老後の収入は、公的年金を軸に、条件を満たせば受け取れる給付金や手当、さらに働き続けることで得られる収入など、複数の制度によって構成されています。

どの制度が自分に関係するのか、何歳から対象になるのか、そして「申請が必要かどうか」を理解していくことで、老後の収入の輪郭は少しずつ具体的になっていきます。

制度を知らないままでは、本来受け取れるはずのお金を前提に入れないまま、老後資金を考えてしまうことにもなりかねません。

今回ご紹介した年金や給付金、雇用保険の制度は、いずれもそうした「知っていれば活用できる公的な仕組み」の具体例です。

また、2026年4月からの在職老齢年金の「62万円」への大幅緩和のように、制度は常に変化しています。

まずは制度を知ることから、老後のお金の準備を始めていきましょう。

6. まとめにかえて:老後資金は「知識」と「行動」で守れる

40歳代・50歳代は、老後のお金について「準備」と「判断」を同時に求められる時期です。資産形成を続けるのか、働き方をどう選ぶのか、あるいは給付制度をどう組み合わせるのか、選択肢は一つではありません。

今回取り上げた各制度は、老後の生活をすべて支えるものではありませんが、収入のタイミングや金額を調整する“補助線”として機能します。

年金だけに頼る、投資だけに寄せるといった単線的な考え方よりも、複数の制度を前提に将来像を描くことで、選択の幅は広がります。

60歳以降の暮らしをより柔軟に設計するためにも、こうした公的支援の存在を前提に、これからの働き方やお金との向き合い方を考えていきましょう。

参考資料

マネー編集部社会保障班