桜が満開を迎え、春爛漫の心地よい季節となりました。

2026年度という新しい1年のスタートに合わせ、気持ちを新たに家計の「固定費」の見直しを始めている方も多いのではないでしょうか。

特に75歳以上の「後期高齢者」がいる世帯にとって、日々の通院や薬代といった医療費は生活設計に直結する項目です。

新年度を迎えた4月は、昨年度の通院状況を振り返りつつ、今年度の医療費負担がどう変わるのかを再確認するのによいタイミングと言えます。

現在、後期高齢者の窓口負担は原則1割ですが、一定以上の所得がある方は「2割負担」の対象となります。

この判定基準は、単に受け取っている年金額だけでなく、不動産所得や株の配当といった「その他の合計所得」との合算で決まります。

さらに、単身世帯か複数世帯かによっても、判定のボーダーラインは大きく異なります。

昨秋(2025年秋)には、急激な負担増を抑えるための時限的な「配慮措置」が終了したこともあり、以前よりも窓口での支払いに「重み」を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、後期高齢者医療制度において「2割負担」の対象となる具体的な所得の基準を分かりやすく整理しました。

ご自身やご家族がどの区分に該当するのか、今年度のライフプランを立てるためのチェックリストとしてぜひご活用ください。

1. 【年代別でチェック】シニアの1人当たり医療費はどれくらいかかる?

年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)1/7

年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)

出所:厚生労働省「年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)」

シニア世代の医療費は、年齢が上がるにつれて増加していく傾向があります。

厚生労働省「年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度・医療保険制度分)」をもとに、60歳以上の各年代における1人当たりの医療費総額と、診療費のうち「入院+食事・生活療養」が占める割合を確認してみましょう。

1.1 【60歳以上】1人あたり医療費計の推移をチェック

  • 60~64歳:38万円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:37%
  • 65~69歳:48万1000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:40%
  • 70~74歳:61万6000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:42%
  • 75~79歳:77万3000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:45%
  • 80~84歳:92万2000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:50%
  • 85~89歳:107万1000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:58%
  • 90~94歳:117万9000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:65%
  • 95~99歳:125万8000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:69%
  • 100歳以上:123万2000円
    • 「入院+食事・生活療養」の割合:70%

医療費の総額は、60歳代前半で約38万円ですが、90歳代後半になると125万円を超え、およそ3.3倍に膨らみます。

この増加の主な要因となっているのが、「入院+食事・生活療養」に伴う支出です。

70歳代までは外来中心の医療が多いものの、80歳を超えると医療費の半分以上を入院関連の費用が占め、90歳代ではその割合が7割近くに達します。

高額療養費制度を利用した場合でも、月ごとの自己負担上限に加え、食事代や差額ベッド代(全額自己負担)などの支払いが続く点には注意が必要です。

また、介護にかかる費用については、生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によれば、一時的な費用(※1)の合計が47万円、毎月の支出は平均で9万円(※2)とされています。

実際の負担額は、要介護度や介護を受ける場所によって大きく異なる場合があります。

厚生労働省「令和6年簡易生命表」によると、平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.13歳となっています。

長寿化が進む中でのライフプランには、入院の長期化や介護に必要となる費用、さらにその間の生活を支えるための備えといった視点が欠かせないといえるでしょう。

※1:住宅改造や介護用ベッドの購入費など
※2:いずれも公的介護保険サービスの自己負担費用を含む