4. 「オルカン」と「S&P500」はどちらを選ぶべき?投資判断のポイントを解説

ここまでのシミュレーション結果を参考に、投資判断のポイントを押さえておきましょう。

4.1 過去のCAGR(年平均成長率)を将来にそのまま当てはめない

今回の年率18~20%という数字は、歴史的にも極めて高い水準です。

特に、S&P500の20%超は、以下のように複数の追い風が重なった結果です。

  • 超低金利
  • 米国テック集中
  • 円安

今後30年も同じ環境が続く保証はありませんので、今回のシミュレーションは「夢のある数字」「複利効果を示す例」として捉えるのが現実的です。

より現実的な視点として、運用利回りを年1~10%と仮定した場合に、30年後の資産額がどの程度になるのかをシミュレーションしたので、参考にしてください。

  • 利回り1%の場合:約135万円
  • 利回り2%の場合:約181万円
  • 利回り3%の場合:約243万円
  • 利回り4%の場合:約324万円
  • 利回り5%の場合:約432万円
  • 利回り6%の場合:約574万円
  • 利回り7%の場合:約761万円
  • 利回り8%の場合:約1006万円
  • 利回り9%の場合:約1327万円
  • 利回り10%の場合:約1745万円

※初期投資額100万円、福利計算にて算出
※本シミュレーションは、実際の運用結果を保証するものではありません

4.2 S&P500のリターンの高さ=リスクの高さ

特にS&P500は高リターンが期待できる一方で、投資先は米国のみとなっており、投資セクターはテック比率が高くなっています。

そのため、30年という長期では、米国の覇権が揺らぐ可能性や、規制強化・税制変更などによって株価が長期停滞する可能性も否定できません。

高い期待リターンは、高い不確実性とセットであることを理解したうえで投資判断を行いましょう。

4.3 オルカンは「リターンの最大化」より「継続性」

オルカンの強みは、世界経済全体に投資するため、特定の国・企業に依存しにくい点にあります。

リターンはS&P500より控えめでも、暴落時のダメージを抑えられる可能性があるため、長期で持ち続けやすいのが特徴と言えるでしょう。

結論としては、リターン最大化を狙うなら「S&P500」、長期で淡々と続けたいなら「オルカン」が、それぞれの合理的な選択です。

「どちらが儲かるか」ではなく「30年間持ち続けられるか」を基準にしつつ、オルカンとS&P500を併用することも検討してみてはいかがでしょうか。