2月は確定申告の準備や家計の見直しを意識する人も増える時期です。物価上昇が続くなか、年金を中心に生活するシニア世帯にとって「貯蓄はいくらあれば安心か」は大きな関心事といえるでしょう。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査によると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額は、3000万円以上が25.2%いる一方で、金融資産を保有していない世帯も10.9%存在します。
本記事では、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額や年金収入、家計収支の平均データを整理しながら、投資信託の定期売却サービスを活用した資産管理の考え方についてもわかりやすく解説します。
1. 「70歳代・二人以上世帯」の平均貯蓄額と中央値を確認
日本の家計金融資産が過去最高を更新し続ける一方で、その約6割を60歳以上の世帯が保有しています。さらに、高齢者の中でも「蓄えてきた人」と「蓄えが不十分な人」が二極化しています。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額の分布は以下のとおりでした。
- 金融資産非保有:10.9%
- 100万円未満:4.5%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.9%
- 500~700万円未満:6.4%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:11.1%
- 1500~2000万円未満:6.7%
- 2000~3000万円未満:12.3%
- 3000万円以上:25.2%
- 無回答:0.6%
全体の25.2%で貯蓄額が3000万円以上となっている一方で、金融資産非保有の世帯は10.9%存在します。リタイア時の資産額は、生活水準はもちろん、満足度や安心感にも直結する重要な要素です。
現役のころから計画的に貯蓄や投資を行い、自助努力を通じて収入を高める努力をしてきた方は、安心して老後生活を送れるでしょう。
2. 投資信託の定期売却サービスとは
リタイアした後は、資産形成期から資産活用期に移行します。自由な時間が増え、これまで蓄えてきた資産をどのように活用するのかを考える必要があります。
便利なサービスの一つが、証券会社が提供している投資信託の定期売却サービスです。あらかじめ設定した条件に沿って、証券会社が自動で投資信託を売却してくれるサービスです。
老後資金の取り崩しなどに活用できる便利な機能として、ネット証券を中心に拡充が進んでいます。このサービスのメリットは、一度設定すれば自動で売却され、都度手続きする必要がない点です。
運用しながら取り崩せるため、資産寿命を延ばすうえでも効果的です。
2.1 定額売却
定額売却は、毎月5万円ずつといった形で1回あたりの売却金額を決めて売却する方法です。毎月一定額の収入が得られるため、生活費の管理がしやすいという特徴があります。
家賃や生活費などの固定支出に充てる場合に適しており、受取金額が予測しやすいため安心感があります。ただし、取り崩し期間の前半に運用実績が悪化すると、想定以上に資産が減る可能性がある点に注意が必要です。
2.2 定率売却
定率売却は「毎月2%ずつ売却する」といった、保有口数に対して売却する率を指定する 方法です。この方法では、資産残高に応じて売却額が自動的に調整されます。
保有資産の残高に応じて売却額が自動調整されるため、資産の寿命を延ばしやすい点がメリットです。
ただし、取り崩しが進むにつれて資産残高が減少するため、受取金額も徐々に少なくなっていきます。生活費として一定額が必要な場合、後半になるほど不足する可能性がある点に注意が必要です。
3. 資産二極化が進む高齢世帯のマネープラン
年度末が近づく2月は、老後資金や年金収入、貯蓄のバランスを見直すよいタイミングです。
70歳代のシニア世帯では平均貯蓄額と中央値に大きな差があり、資産状況の二極化が進んでいることが調査から分かります。
年金だけでは毎月の生活費をまかなえないケースもあり、計画的な資産取り崩しの重要性が高まっています。
投資信託の定期売却サービスのように、資産寿命を意識した取り崩し方法を検討することは、長期的な家計安定につながる可能性があります。
まずは現在の貯蓄額、年金収入、毎月の支出を整理し、自分の家計状況を確認することが大切です。
将来の生活に備えるためにも、早めに資産計画を見直してみてください。
参考資料
柴田 充輝