1.2 家計支出の特徴①:持ち家率が高く住居費は低い傾向
この世代の持ち家率は96.3%と非常に高く、住宅ローンが残っている世帯はわずか3.3%です。このため、住居費は月平均1万4000円台と低水準に抑えられています。
住居費という大きな固定費が少ないことが、現役時代より収入が減少しても家計を維持しやすくしている一因と考えられます。
1.3 家計支出の特徴②:エンゲル係数の高さと「75歳の壁」という課題
家計支出の中で食費が占める割合(エンゲル係数)が約3割と高めであるため、物価上昇が家計に直接的な打撃を与えやすい構造になっています。
また、現在の生活費には、本格的な介護にかかる費用が含まれていない点にも留意が必要です。
さらに、75歳になると加入する後期高齢者医療制度では、所得に応じて医療費の窓口負担割合が変動する可能性があります。
将来的には現在よりも支出が増える可能性を考慮し、早めに備えておくことが大切です。
1.4 理想の老後生活費とのギャップは月10万円以上
生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、夫婦2人が老後を過ごすための「最低日常生活費」は月平均23万9000円、「ゆとりある老後生活費」は月平均39万1000円という結果でした。
今回の調査データにおける実収入(約27万5000円)は、最低限の生活を送る水準は満たしているものの、ゆとりのある生活を実現するには毎月10万円以上の不足が生じています。
この差額をどのように補填するか、あるいは支出をどの程度見直すかが、老後の生活の質を決定づける重要な要素となります。
次は、リタイア後の生活を支える「年金」と「貯蓄」の現状について詳しく見ていきましょう。