風薫る5月、新緑が美しい季節となりました。大型連休などを利用して、家族と「老後のお金」や「将来の生活設計」について、ゆっくり話し合う機会を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、次回の公的年金の支給日は6月15日です。この日に支給されるのは2026年度の新しい年金額改定率が適用された4月・5月分の年金となり、心待ちにしている方も多いかもしれません。

リタイア後の暮らしは、日々の生活費はもちろん、旅行や趣味といった楽しみにどれくらいお金をかけるかで、必要な資金額が大きく変わってきます。

「老後資金は、結局いくらあれば安心できるのか」「自分の年金受給額はいくらになるのか」など、はっきりとした答えが見えにくい問いが、将来への漠然とした不安につながることもあります。

この記事では、日本の「65歳以上のシニア世帯の家計」の現状に焦点を当てます。

平均的な生活費や年金の受給額、そして皆さんが実際にどれくらいの貯蓄を持っているのか。

最新の公的なデータを基に、豊かなセカンドライフを送るために知っておきたい「お金の実態」を明らかにしていきます。

1. 【65歳以上 老齢年金シニア】無職夫婦世帯「ひと月の生活費」ってどのくらい必要?

総務省統計局が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、1カ月あたり約3万5000円の赤字が発生していることが明らかになりました。

平均収入は25万4395円で、うち社会保障給付(主に年金)は22万8614円となっています。平均支出の合計は29万6829円で、主な内訳は以下のとおりでした。

消費支出:26万3979円

  • 食料:7万8964円
  • 住居:1万7739円
  • 光熱・水道:2万3540円
  • 家具・家事用品:1万1237円
  • 被服及び履物:5354円
  • 保健医療:1万7941円
  • 交通・通信:3万1325円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:2万6538円
  • その他の消費支出:5万1341円(うち、諸雑費2万2047円・交際費2万3257円・仕送り金1135円)

非消費支出:3万2850円

65歳以上の無職夫婦世帯の平均的な家計をみると、月の収入は25万4395円で、そのうち約9割を占める22万8614円が公的年金などの社会保障給付です。

一方で、支出の合計は29万6829円。内訳は、生活費などの消費支出が26万3979円、税金や社会保険料といった非消費支出が3万2850円となっています。

その結果、毎月4万2434円の赤字となっており、貯蓄を切り崩しながら生活している世帯が多い実情がうかがえます。
ただし、この調査の住居費は1万7739円と低めですが、これは高齢者世帯で持ち家率が高いことが背景にあります。

もし賃貸住宅に住んでいるなら、毎月の家賃分を上乗せして家計をシミュレーションする必要があるでしょう。

また、ここで示された支出には介護費用は含まれていません。

将来、介護サービスが必要になった場合、家計の赤字はさらに大きくなる可能性も考慮しておくことが大切です。

次の章では、世帯主が65歳以上の二人以上世帯が、どれくらいの貯蓄を保有しているのかを見ていきます。