風薫る5月、過ごしやすい季節となりました。ゴールデンウィークの賑わいも落ち着き、新年度の生活リズムに少し慣れてきたこの時期ですが、日々の買い物で「また値上がりしている」と実感する方も多いのではないでしょうか。
総務省が2026年5月に発表した最新の消費者物価指数(東京都区部・4月中旬速報値)によると、総合指数は2020年を100として112.4となり、前年同月比で1.5%の上昇を記録しました。
生鮮食品を除く総合指数も111.7(同1.5%上昇)となっており、生活必需品の値上がりが続いています。
公的年金は物価や賃金の動向を反映して改定される仕組み(物価連動)ですが、現実の物価上昇のスピードに年金額の増加が追いつかない局面も多く、生活者の体感としては「値上げ分を吸収できていない」と感じやすいのが実情です。
食料品や光熱費など「削りにくい支出」の割合が高いシニア世帯にとって、インフレは家計を直撃する大きなリスクとなります。
さらに平均寿命の延伸により、老後の生活期間はこれまで以上に長くなることが前提となりました。「長寿の時代、インフレのなかで年金と今の貯蓄だけで本当に生活できるのか」といった将来への不安の声は、幅広い世代から聞かれます。
こうした漠然とした不安を具体的に捉えるため、まずはすでに老後を迎えている世代の貯蓄実態から確認していきます。