4. 年収と貯蓄額は本当に比例する?データが示す「意外な逆転現象」

「年収が高ければ高いほど、貯蓄も多いはずだ」と考える人は多いでしょう。しかし、データを見ると必ずしもそうとは言い切れない「逆転現象」が見えてきます。

ここでは、総務省統計局の「家計調査 貯蓄・負債編-2025年(令和7年)-第8-11表<貯蓄・負債>貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯・勤労者世帯)」のデータを参照し、「二人以上世帯全体」と「勤労者世帯」それぞれについて、貯蓄現在高の階級別に世帯年収を確認します。

4.1 二人以上世帯「全体」の貯蓄額階級別・平均年収

  • 貯蓄100万円未満: 489万円
  • 貯蓄100~200万円: 583万円
  • 貯蓄200~300万円: 607万円
  • 貯蓄300~400万円: 634万円
  • 貯蓄400~500万円: 617万円
  • 貯蓄500~600万円: 619万円
  • 貯蓄600~700万円: 655万円
  • 貯蓄700~800万円: 650万円
  • 貯蓄800~900万円: 651万円
  • 貯蓄900~1000万円: 718万円
  • 貯蓄1000~1200万円: 681万円
  • 貯蓄1200~1400万円: 686万円
  • 貯蓄1400~1600万円: 694万円
  • 貯蓄1600~1800万円: 733万円
  • 貯蓄1800~2000万円: 762万円
  • 貯蓄2000~2500万円: 688万円
  • 貯蓄2500~3000万円: 736万円
  • 貯蓄3000~4000万円: 753万円
  • 貯蓄4000万円以上: 837万円

4.2 「勤労者世帯」の貯蓄額階級別・平均年収

  • 貯蓄100万円未満: 564万円
  • 貯蓄100~200万円: 675万円
  • 貯蓄200~300万円: 697万円
  • 貯蓄300~400万円: 743万円
  • 貯蓄400~500万円: 714万円
  • 貯蓄500~600万円: 736万円
  • 貯蓄600~700万円: 773万円
  • 貯蓄700~800万円: 776万円
  • 貯蓄800~900万円: 776万円
  • 貯蓄900~1000万円: 883万円
  • 貯蓄1000~1200万円: 835万円
  • 貯蓄1200~1400万円: 855万円
  • 貯蓄1400~1600万円: 900万円
  • 貯蓄1600~1800万円: 883万円
  • 貯蓄1800~2000万円: 998万円
  • 貯蓄2000~2500万円: 863万円
  • 貯蓄2500~3000万円: 968万円
  • 貯蓄3000~4000万円: 977万円
  • 貯蓄4000万円以上: 1107万円

貯蓄4000万円超世帯の年収と「逆転現象」

データを見ると、貯蓄が「4000万円以上」ある世帯の平均年収は、二人以上世帯全体で837万円、勤労者世帯に限定すると1107万円という結果でした。

確かに他の貯蓄階級と比較すると年収は高い傾向にありますが、リストを細かく見ていくと、「貯蓄額の階級が上がっているのに、平均年収は下がっている」という逆転現象が所々で起きています。つまり、年収の差がそのまま貯蓄額の決定的な差になっているとはいえないのです。

貯蓄の多さは「年収」だけで決まるわけではない

ここで改めて注目したいのが、前の章で触れた「世帯主が65歳以上のシニア世帯の21.1%が、貯蓄4000万円以上に該当する」という事実です。

この背景には、定年退職時の退職金や親からの相続など、家計調査の「年収データ」には直接反映されにくい資金の動きが影響している可能性があります。

このことから、貯蓄額の多さは、必ずしも現在の年収の高さだけで決まるものではないと考えることができるでしょう。