果樹栽培の魅力は、実を収穫して味わうことだけにとどまりません。美しい花を咲かせるものや、葉や果実から芳醇な香りを漂わせるものなど、視覚や嗅覚を通して私たちの暮らしを豊かに彩ってくれる要素がたくさんあります。
お庭やゆったりとしたスペースのシンボルツリーとして、実用性と観賞性を兼ね備えた「一石二鳥」の果樹を選んでみてはいかがでしょうか。
果樹は「植えっぱなしで放置してOK」というわけにはいきませんが、適切な環境を整え、手をかけてあげることで、美しい姿やおいしい果実で応えてくれます。
今回は、日々の暮らしに豊かな彩りを添えてくれる果樹を、お世話のポイントや参考価格とともに紹介します。
1. この記事で紹介する「シンボルツリーに迎えたい、憧れの果樹」
- ジューンベリー:美しい純白の花と赤い実、秋の紅葉と季節ごとの変化を存分に楽しめる果樹。
- フェイジョア:赤と白のエキゾチックな花と、秋に実る香り豊かな果実が魅力の常緑低木。
- ユズ:日本の冬を彩る爽やかな香りが特徴で、料理やお風呂でも活躍するおなじみの柑橘。
2. お庭に植えたい《果樹》3選!美しい花や香り、秋の紅葉も
美しい花姿や爽やかな香りを放つ果樹は、お庭のフォーカルポイント(視線を集める見せ場)としても活躍してくれます。
それぞれの魅力と、長く上手にお付き合いするためのポイントを見ていきましょう。
2.1 【ジューンベリー】四季の変化が楽しめるナチュラルシンボルツリー
初夏に赤い実をつけることで知られるジューンベリーですが、春先に枝いっぱいに咲かせる純白の花も見事です。
風にそよぐ柔らかな葉の姿は、ナチュラルな雰囲気のお庭にぴったりと馴染みます。
秋の深まりとともに美しく紅葉し、落葉後の冬の美しい枝ぶりまで長く楽しめます。
【ジューンベリーのお世話ポイント】
甘く熟した実は小鳥たちも大好物なので、収穫は鳥たちとの競争になりがちです。
また、熟して落ちた実で地面が汚れやすいため、こまめなお掃除が必要になります。
うどんこ病などの病気予防や、放任すると高木になりやすいため、定期的な剪定(枝の切り戻し)で風通し良く樹形を整えてあげましょう。コンパクトに育てたい場合は「矮性(わいせい)品種」を選ぶのもおすすめです。
※参考価格:3000円前後(5号ポット苗)
2.2 【フェイジョア】エキゾチックな花と香りが魅力の常緑果樹
丸みを帯びた銀葉が美しく、生垣や庭木としても良く使われる常緑低木です。
初夏には赤と白のコントラストが目を引くエキゾチックな花を咲かせ、お庭を華やかに演出します。秋に収穫できる果実は、パイナップルとバナナを混ぜたような南国風の甘い香りが特徴です。
【フェイジョアのお世話ポイント】
自分の花粉だけでは実をつけにくい品種が多いため、収穫を楽しむには異なる品種を一緒に植えてあげるのが最大のポイントです。
「花は咲くのに実がならない」という事態を防ぐため、苗選びは慎重に。
耐寒性はマイナス5℃程度とそれほど高くないため、寒冷地で育てる場合は鉢植えにしてコンパクトに剪定し、冬は室内などの明るく暖かい場所で管理してあげてくださいね。
※参考価格:3000円前後(5号ポット苗)
2.3 【ユズ】香りで暮らしを豊かにする日本の定番果樹
日本の冬の風物詩とも言えるユズ。実が熟す前から葉をこすると柑橘特有の爽やかな香りが漂い、ユズの木のそばを通るたびに、心安らぐリフレッシュタイムに変わります。
収穫した実は、料理の香り付けや自家製のジャム、冬至のユズ風呂など、さまざまな用途で暮らしを豊かにしてくれます。
【ユズのお世話ポイント】
枝には非常に鋭いトゲがあるため、剪定や収穫の際は厚手の手袋が必須です。また、アゲハチョウの幼虫などが葉を食べに来やすいため、こまめな虫チェックも欠かせません。
実が熟して落ちると汚れや腐敗、虫を呼ぶ原因になるため、早めの収穫と後片付けを心がけてあげましょう。
庭植えの場合は適宜剪定や肥料を、鉢植えの場合は加えて定期的な水やりや数年おきの植え替えなど、環境に合わせたお世話をしてあげてくださいね。
※参考価格:3000円前後(本ユズ、2年生苗)
3. まとめにかえて
季節ごとに姿を変える果樹は、お庭の景観に奥行きを与えてくれます。今回ご紹介した果樹たちは、剪定や虫対策、落ちた実のお掃除など、決して「放置して育つ」わけではありません。
しかし、こまめな剪定や病害虫チェックなど、適切にお手入れをした分だけ、花が咲いたときの喜びや、もぎたての果実を味わう感動はひとしおです。
収穫したての新鮮な果実を味わえる贅沢とともに、果樹が放つ自然の香りに癒される。そんな豊かな時間を育むガーデニングライフを、ぜひお好みの果樹を迎えて始めてみてくださいね。
3.1 【読者のみなさまへ】楽しく安全にガーデニングを楽しむために
- 植物は生き物です。本記事で紹介している育て方は一般的な目安であり、お住まいの地域の気候や、育てる場所の日照条件、苗の個体差などによって、開花時期や生育スピードが異なります。記事の記載通りに管理しても、必ずしもうまく育つとは限りませんのであらかじめご了承ください。
- 植物や品種ごとの詳しい管理方法や最新の注意点については、購入時に付属している「品種タグ(ラベル)」や説明書を必ずご確認ください。
- 植物の中には、人間やペットにとって有害な成分を含むものがあります。特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、誤飲・誤食などのトラブルを防ぐため、植え場所や置き場所、管理に十分ご注意ください。
- 植物のトゲや、剪定・植え替え時に出る樹液に触れることで、ケガやかぶれを引き起こす場合があります。お手入れの際は、園芸用手袋などの着用をおすすめします。
- 品種登録されている植物(「PVP」マークがあるものや、農林水産省の「流通品種データベース」に登録されているもの)を、挿し木や株分けなどで増殖させる行為は、ご自宅などで個人的に楽しむ範囲にとどめてください。無断で他者へ譲渡(有償・無償問わず)したり、フリマアプリ等で販売したりすることは種苗法により法律で禁止されています。(参考:農林水産省 品種登録ホームページ )
- 繁殖力の強い植物(一部のハーブ類やグランドカバーなど)を地植えにする際は、ご自宅の敷地外や自然界へ広がってしまわないよう、根域制限などの適切な管理や周囲へのご配慮をお願いいたします。
- 記事で紹介する商品情報および価格などは、執筆時点のものです。閲覧時点においては、販売状況や価格等が異なる可能性がございます。また、「参考価格」として記載している草花については、販売店や苗のサイズ・状態によって実際の店頭価格と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
- 記事で紹介する一年草には、本来は多年草でも「日本の気候では一年草扱い」とされている植物も含まれています。
- 集合住宅でガーデニングを始める際は、必ず事前にお住まいの物件の管理規約を確認しておきましょう。避難経路の確保や排水口の管理、床面の重量制限といったルールを守り、近隣への配慮を心がけることが、美しいベランダガーデンを長く楽しむための大切なポイントです。
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