4. 年金受給額とのバランスは?
生活保護費とよく比較されるのが年金受給額です。厚生年金と基礎年金の合計の平均受給額は15万289円であり、1級地の最低生活費ラインを超える金額です。しかし、なかには厚生年金をほとんど受け取れない人もいます。そうした人は基礎年金を中心に受給することになります。
基礎年金は月額6万9308円(2025年度)と、生活保護の最低生活費には及ばない金額です。そのため、年金と保護費の格差が叫ばれることも少なくありません。
基礎年金額も物価や賃金の上昇を考慮して毎年改定されていますが、月数万円単位で上昇することはありません。また、社会保険料や医療費の負担においても、生活保護受給者は基本的に負担がありませんが、年金受給者は一定額の負担が必要です。こうした格差にどう対処していくかが、今後重要となりそうです。
5. まとめ
生活保護は、2026年10月から特例加算が再度上乗せされます。2025年10月に500円上乗せされていますが、早くも追加で増額されることになります。
加算額引き上げ後の最低生活費は、東京23区で約13万円になる見込みです。セーフティネットとして十分な機能を果たす可能性がある一方、年金受給者との格差は気になります。物価高における公的扶助のあり方を、あらためて見直していく必要がありそうです。
5.1 参考:生活保護を受けている世帯はどれくらいいる?
参考資料
- 厚生労働省「上野大臣会見概要(財務大臣折衝後)」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)11月分」
- 厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和7年10月)」
- 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
石上 ユウキ
