4. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】赤字家計は何年続く?《貯蓄が尽きるまでの目安》

ここまで見てきたように、75歳以上の後期高齢シニア夫婦の家計は、年金収入から税金や社会保険料が天引きされた結果、毎月およそ2万円の赤字となっています。

この赤字は、貯蓄を取り崩すことで補われているのが実情です。

では、この赤字が続いた場合、貯蓄はどのくらいの期間もつのでしょうか。

月2万円の赤字は年間で約24万円に相当します。仮にこの水準が続くとすると、平均的な貯蓄額とされる2362万円は、単純計算で約98年分にあたります。

ただし、この数字をそのまま受け取るのは危険です。

家計調査の支出には、入院や手術にかかる自己負担、介護サービス利用料、施設入所時の費用など、老後に発生しやすい高額支出は十分に反映されていません。

こうした費用が重なれば、赤字額は一時的に月数万円から十数万円規模に拡大する可能性があります。

さらに、2362万円という貯蓄額は「平均値」であり、すべての世帯がこの水準の貯蓄を持っているわけではありません。

貯蓄が平均を下回る世帯では、赤字を補える期間は大きく短くなります。「平均貯蓄がある=老後は安心」とは言い切れないのが現実です。

老後の家計を考える際には、月々の収支だけでなく、貯蓄が何年分の赤字を支えられるのかという時間軸の視点を持つことも重要になるでしょう。