4. 年金受給者も確定申告が必要!でも不要となるケースも…

公的年金は所得税法上「雑所得」に分類されますが、特定の条件を満たす場合は「確定申告不要制度」が適用され、確定申告をする必要がなくなります。

4.1 確定申告が不要になる2つの条件

以下の両方の条件に当てはまる場合、納税額が発生したとしても、所得税などの確定申告は不要となります。

  • 公的年金等(※1)の収入金額の合計が400万円以下で、かつその全額が源泉徴収の対象であること
  • 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(※2)が20万円以下であること

※1 国民年金や厚生年金、共済組合から支給を受ける老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金、老齢共済年金)、恩給(普通恩給)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金、確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金など
※2 生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金、給与所得、生命保険の満期返戻金など 

ただし、所得税の還付を受けたい場合(※3)には、確定申告を行う必要があります。

また、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が別途必要になるケースがあります(※4)。例えば、源泉徴収票に記載されていない生命保険料控除や地震保険料控除などを適用したい場合や、公的年金以外の所得がある場合などです。

ご自身の状況で不明な点があれば、お住まいの市区町村役場に問い合わせてみるとよいでしょう。

※3  公的年金から源泉徴収された所得税を、医療費控除や雑損控除などにより取り戻したい場合
※4  所得税の確定申告をすれば、その情報が市区町村に送られるため、改めて住民税の申告をする必要はありません

4.2 スマホで完結する確定申告:令和7年分からの変更点

令和7年(2025年)分の確定申告からは、スマートフォンとマイナンバーカードの連携がさらに強化され、手続きがより簡単になります。

スマートフォンのマイナンバーカード機能を利用することで、カード本体を読み取ることなく、申告書の作成からe-Taxでの送信までが可能になります。

申告書は、国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」で画面の案内に従って入力するだけで完成し、自動計算機能で計算ミスも防げます。

さらに、マイナポータル連携機能を使えば、保険料控除証明書や源泉徴収票といった必要書類の情報を自動で取得し、申告書に反映させることができます。これにより、書類を集めて手入力する手間が省け、確定申告にかかる時間を大幅に短縮できる見込みです。

注意点:マイナンバーカードと電子証明書の有効期限

これらの便利なサービスを継続して利用するためには、マイナンバーカードと電子証明書の有効期限に注意が必要です。期限が切れてしまうと、e-Taxを利用した手続きができなくなります。

特に確定申告の時期は、市区町村の更新窓口が混雑しやすいため、時間に余裕を持って早めに更新手続きを済ませておくことをおすすめします。

5. まとめ

今回は、公的年金の仕組みから平均受給額、そして働き方の違いによるモデルケースまで、幅広くご紹介しました。

厚生年金と国民年金では受給額に大きな差があり、特に厚生年金は現役時代の収入や加入期間によって個人差が顕著に現れることがお分かりいただけたかと思います。

ご自身の年金記録は「ねんきんネット」でいつでも確認できますので、一度アクセスして将来の受給見込額を把握してみてはいかがでしょうか。

平均額はあくまで一つの目安です。

ご自身の見込額を基に、これからのライフプランを具体的に考えてみることが、より豊かで安心なセカンドライフにつながる第一歩となるでしょう。

参考資料

和田 直子