2025年も終わりに近づき、寒さが身にしみる季節となりました。

今月は2ヶ月に一度の年金支給月でもあり、ご自身の口座に振り込まれた金額を見て、将来の生活に思いを巡らせている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「周りの人は一体いくらくらい年金をもらっているのだろう」「年金だけで生活していくのは可能なのか」といった疑問は、多くの方が抱える共通の関心事です。

この記事では、公的年金の基本的な仕組みから、2025年度のモデル年金額、そして厚生年金と国民年金の平均的な受給額まで、最新のデータを基に詳しく解説します。

さらに、65歳以上の無職世帯のリアルな家計収支にも触れ、将来設計のヒントを探ります。

1. 日本の公的年金の基本構造

日本の公的年金制度は、基礎部分となる「国民年金」と、その上乗せ部分である「厚生年金」から成る2階建ての構造になっています。

国民年金は、原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度で、年金制度の土台となる部分です。保険料は加入者全員が同じ金額を納めます。

一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に加えて加入する制度です。保険料は毎月の給与や賞与の額に応じて決まります。

国民年金保険料を40年間(480ヶ月)すべて納付した場合、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取ることができます。保険料の未納期間がある場合は、その月数に応じて年金額が減額される仕組みです。

厚生年金の受給額は、加入していた期間の月数と、納付した保険料の総額によって決定されます。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円です。
※2 厚生年金の保険料額は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円です。