新緑の季節が過ぎれば、いよいよ6月の年金支給月がやってきます。現役世代の間でも「将来、自分はいくらもらえるのだろう」と、老後の資金計画への関心が高まる時期です。「長く会社に勤めていれば老後は安泰」と思いたいところですが、最新データが明かす実態は少し意外なものとなっています。
今回は、厚生年金のリアルな受給額分布に加え、年金額を左右する「繰上げ・繰下げ受給」の最新トレンドと、賢い老後防衛術について解説します。
1. 【厚生年金の受給額】「10万円」未満と「20万円」以上どちらが多い?
厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金分を含む)の平均受給額は月額15万289円です。しかし、男女別に見ると大きな格差があります。
1.1 男女別の平均受給額
〈全体〉平均年金月額:15万289円
〈男性〉平均年金月額:16万9967円
〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含む
1.2 割合(全体:1608万5696人)
- 10万円未満の割合:19.0%
- 10万円以上の割合:81.0%
- 15万円以上の割合:49.8%
- 20万円以上の割合:18.8%
- 30万円以上の割合:0.12%
注目すべきは、「10万円未満」が19.0%に対し、「20万円以上」は18.8%という点です。なんと、わずかに10万円未満の層が上回っているのが現実です。「20万円以上もらえるリッチなシニア」は全体の2割弱にとどまります。
年金だけでゆとりある生活を送るのは難しく、iDeCo(個人型確定拠出年金)での積立や、長く働くためのキャリア形成といった「自助努力」による備えが不可欠と言えるでしょう。
