75歳以上の後期高齢者は、この秋から正式に一部の人の医療費負担割合が2割になりました。1割から2割に負担が増える人は、家計への影響も決して小さくはないでしょう。

そして、4月分からはさらに負担が増える見込みです。「子ども・子育て支援金」の徴収が始まるためです。後期高齢者の場合、現役世代とは負担額が異なります。月あたり、いくらの金額を負担することになるのでしょうか。この記事では、後期高齢者の子ども・子育て支援金の負担額について解説します。

1. 「子ども・子育て支援金」とは?

子ども・子育て支援金とは、2024年6月12日に改正された「子ども・子育て支援法」にもとづくお金で、子育て施策の財源として活用するものです。徴収は、2026年度からを予定しています。

子育てに関する施策は、2024年10月の児童手当拡充を皮切りに、より手厚い支援が行われています。子ども・子育て支援金は、以下の事業の財源として活用する予定です。

子ども・子育て支援金について

子ども・子育て支援金について

出所:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」をもとに筆者作成

  • 児童手当の抜本的な拡充:所得制限を撤廃、高校生年代まで延長、第3子以降は3万円に増額
    (2024年10月〜)
  • 妊婦のための支援給付(出産・子育て応援交付金):妊娠・出産時に10万円の経済支援
    (2025年4月〜)
  • 乳児等のための支援給付(こども誰でも通園制度):月一定時間までの枠内で、時間単位等で柔軟に通園が可能な仕組みの創設
    (2026年4月〜)
  • 出生後休業支援給付(育休給付率の手取り10割相当の実現):子の出生後の一定期間に男女で育休を取得した場合に、育児休業給付とあわせて最大28日間手取り10割相当となるよう給付の創設
    (2025年4月〜)
  • 育児時短就業給付(育児期の時短勤務の支援):2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合に、時短勤務中に支払われた賃金額の10%を支給
    (2025年4月〜)
  • 国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置:自営業やフリーランス等の国民年金第1号被保険者について、その子が1歳になるまでの期間の国民年金保険料を免除
    (2026年10月〜)

2026年度までは公債で費用をつなぎ、2026年度からは、後期高齢者含む健康保険の加入者全員で負担していく形です。

では、後期高齢者は月額いくら負担することになるのでしょうか。次章で解説します。