2. 給付付き税額控除が注目される2つのメリット

この制度が、一律の現金給付と比較して注目を集める背景には、公平性や効率性の観点からの利点があります。

2.1 メリット1:所得状況に応じた柔軟な支援

全員に同じ金額を支給する一律給付の場合、所得の多い層にも支援が及ぶため、財源が効率的に使われないという課題が指摘されることがあります。

それに対して給付付き税額控除は、所得税額を基準とし、控除しきれない差額を現金で補填する仕組みです。そのため、より支援を必要とする低所得者層へ、重点的にサポートを届けることが可能になります。

2.2 メリット2:減税の恩恵が届きにくい非課税世帯も対象

これまでの減税策では、そもそも所得税を納めていない非課税世帯は、その恩恵を受けることができませんでした。

しかし、給付付き税額控除では、控除額に満たない部分が現金で支給されるため、非課税世帯にも直接的な支援を届けられるようになります。

これらの特徴から、「給付付き税額控除」は画一的な現金給付よりも、個々の状況に応じて的確な支援を実現できる制度として期待されています。今後の具体的な制度設計や導入時期について、引き続き注目が集まります。