5. 結論は「両立」も十分にアリ
返済と投資は、どちらかを完全に優先しなければいけないわけではありません。むしろ、多くの家庭では“両立”という選択が自然です。
たとえば、
- 繰上げ返済は年に1回のボーナス時だけにとどめ、毎月はNISAで積み立てる
- ローン金利が低い間は投資を優先し、金利が上がったら返済のペースを強める
- 子どもの進学や転職など、家計の変動時期に合わせて返済の強弱を調整する
といったように、返す力と増やす力の“配分”を変えながら進める方法は広く行われています。
このようにバランス型の進め方を選べば、「返済によって家計の負担を軽くしながら、将来に向けた投資も進められる」
というメリットを同時に享受できます。
そのときの収入・支出・ライフイベントに合わせて柔軟に調整できることこそ、返済と投資を併用する最大の魅力です。
6. まとめにかえて:正解はひとつではない。自分の家計に合う軸を持つ
繰上げ返済にもNISAの積立投資にも、それぞれ異なる良さがあります。
大切なのは、どちらを選ぶかではなく、「自分の家計にどのくらいの比重で取り入れるか」を考えることです。
住宅ローンの金利、手元の現金の余裕、家族構成、将来のイベント、収入の安定性。これらを総合的に見れば、あなたにとっての最適なバランスが自然と見えてきます。
返済で家計を軽くし、投資で将来の資産を育てるという、この2つを無理なく両立できれば、長期的に安定した家計づくりに繋がります。
正解は一つではありません。暮らしに合った“軸”を持つことが、賢い選択の第一歩です。