住宅ローンを返しながら、NISAを使って資産形成も進めたい。そんな悩みを抱える人は多く、どちらを優先すべきか迷うのは自然なことでしょう。
繰上げ返済をすれば利息の負担を減らせますが、投資に回す余力は小さくなります。
反対に、NISAでの投資を優先すれば将来の資産形成は進みやすくなりますが、ローン残高は変わりません。
特に今、この悩みはより切実なものとなっています。今日12月19日、日銀は追加の利上げを決定しました。 これにより、住宅ローンを変動金利で借りている方にとっては、金利上昇による返済負担額の増加が現実味を帯びており、「一刻も早く返済を進めるべきか」と不安を感じている方も多いはずです。
しかし、焦りは禁物です。どちらにもメリット・デメリットがあるため、“万人に共通する正解”は存在しません。だからこそ、自分の家計状況・金利・将来設計を踏まえて判断することが重要です。
この記事では、それぞれの特徴を整理しながら、判断の軸となるポイントをわかりやすく解説します。
1. まず押さえるべきは「住宅ローンの金利」
繰上げ返済を考えるとき、最初に確認すべきなのが「金利」です。
住宅金融支援機構が発表した長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の最新の金利は、返済期間21年以上35年以下の場合、年1.97〜4.51%です。
前月の年1.90%~4.31%と比べて最低金利・最高金利いずれも上昇しています。
金利が高いローンほど、繰上げ返済の効果は大きく、返済額を減らした瞬間から利息負担が軽くなります。
特に固定金利で1%後半〜2%以上のローンの場合、早めに返すことで数十万円単位の利息削減につながることも珍しくありません。
一方、低金利ローンであれば、急いで返済しなくても家計への影響は比較的小さいケースがあります。
ローン金利が低いほど「投資に回してもいい余地」が出てくるため、返済と投資のバランスを取りやすくなります。
まずは、自分のローン金利が
- “返したほうが効果が大きい金利”なのか
- “投資と比較する余地がある金利”なのか
を把握することが、判断の重要な第一歩です。