2025年11月27日、与野党4党の政務調査会長会談で「給付付き税額控除」の導入に向けた協議が行われました。

高市総理が導入に意欲を示すこの制度。物価高に直面する国民生活を一時的ではなく、恒久的に支える仕組みとして注目されています。

本記事では、所得に応じて支援内容が変わる「給付付き税額控除」の具体的な仕組みや、政府が導入を目指す背景にあるメリットについて、わかりやすく解説します。

1. 給付付き税額控除の仕組みとは?所得によって異なる3つの支援内容を解説

給付付き税額控除は、所得税を減らす「税額控除」と、現金を直接支給する「給付」を組み合わせた新しい制度です。

この制度の最大の特徴は、納めるべき税額を控除額が上回った場合に、その差額分が現金で受け取れる点にあります。

これにより、所得が少なく納税額が低い方や、所得税が非課税となっている世帯にも支援が届くよう設計されています。

支援の受け方は所得に応じて主に3つのパターンに分かれます。「税額控除のみ」「税額控除と現金給付の両方」「現金給付のみ」の3つです。具体的な例で確認していきましょう。

1.1 控除額10万円のシミュレーションで見る支援の具体例

例:【給付付き税額控除】控除額を10万円とした場合

例:【給付付き税額控除】控除額を10万円とした場合

出典:LIMO編集部作成

支援パターン1:中・高所得層のケース

  • 所得税の納税額が30万円で、控除額10万円を上回る場合
  • 適用される支援:控除額である10万円の全額が減税(税額控除)の対象です。
  • 得られる効果:結果として納税額は20万円となり、税負担が軽くなります。

支援パターン2:低所得層のケース

  • 所得税の納税額が8万円で、控除額10万円に届かない場合
  • 適用される支援:まず納税額8万円分が減税されて納税義務がなくなります。その上で、控除しきれなかった差額の2万円が現金で支給されます。
  • 得られる効果:税金の支払いが不要になるだけでなく、2万円の現金も受け取ることが可能です。

支援パターン3:非課税世帯のケース

  • 所得税の納税額が0円の場合
  • 適用される支援:所得税の納税義務がないため、控除額の10万円がそのまま現金で支給されます。
  • 得られる効果:これまでの減税措置では対象外とされてきた世帯にも、直接的な経済支援が行き渡ります。