就職活動中の学生にとって、「どんな人と働くか」「どんなキャリアを歩めるか」は大きな関心事です。とくに、自分の理想とする働き方や生き方を体現する「ロールモデル」の存在は、キャリア選択に大きな影響を与えるようです。

そこで今回は、就活生が求める「ロールモデル」の重要性と、彼らが重視する価値観を探ります。

1. 就活生にとっての「ロールモデル」の重要性とは?

talentbook株式会社が実施した「『ロールモデル』のキャリア影響度調査2025」を見ていきましょう。

1.1 調査概要

  • 調査タイトル:「ロールモデル」のキャリア影響度調査2025
  • 調査期間:2025年9月17日〜2025年9月20日
  • 回答者属性:就職活動を終えた26卒学生、転職経験のある社会人
  • 有効回答: 1,000名( 学生 500名、社会人500名)
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査主体:talentbook株式会社

1.2 26卒学生の約7割が「ロールモデル」の影響力を実感

自身にロールモデルとなるコンテンツの有無が入社の意思決定に影響を与えると思いますか?1/6

自身にロールモデルとなるコンテンツの有無が入社の意思決定に影響を与えると思いますか?

出所:talentbook株式会社「『ロールモデル』のキャリア影響度調査2025」(PRTIMES)

自身にロールモデルとなるコンテンツの有無が入社の意思決定に影響を与えると思いますか?

  • とても影響を与える: 20.0%
  • やや影響を与える: 46.2%
  • どちらでもない: 24.0%
  • あまり影響を与えない: 5.6%
  • まったく影響を与えない: 4.2%

26卒就活生に「自身にロールモデルとなるコンテンツの有無が入社の意思決定に影響を与えると思いますか?」と尋ねたところ、「とても影響を与える」が20.0%、「やや影響を与える」が46.2%で計66.2%が「意思決定に寄与する」と回答しました。

ロールモデルの存在は、単なる憧れにとどまらず、自分がその企業で働くイメージを具体化し、キャリアの方向性を定めるための重要な判断材料となっていることがわかります。

2. ロールモデルは「見つからない」のが現状

あなたには社内・社外を問わず「ロールモデル」となる存在はいますか?2/6

あなたには社内・社外を問わず「ロールモデル」となる存在はいますか?

出所:talentbook株式会社「『ロールモデル』のキャリア影響度調査2025」(PRTIMES)

あなたには社内・社外問わず「ロールモデル」となる存在はいますか?

  • いいえ: 57.4%
  • はい: 28.8%
  • わからない: 13.8%

ロールモデルは入社の意思決定に影響を与えると考えている人が多いものの、実際に「ロールモデル」となる存在に出会えている学生・社会人は多くありません。社内・社外を問わず「ロールモデルとなる存在はいますか?」という問いに対し、57.4%が「いいえ」と回答し、13.8%の「わからない」を含めると、約7割の求職者がロールモデルに出会えていないようです。

多くの人がロールモデルを求めている一方で、企業側からの情報発信や接点が不足しており、学生が理想とする人物像を見つけることが難しくなっている可能性があります。

3. 入社前に知りたいのは「働き方」と「価値観」

入社前に知っておきたい情報として当てはまるものをすべて選択ください。(複数回答)

  • どんな働き方をしている人が多いのか: 57.6%
  • どんな価値観や想いを持って働いている人がいるのか: 37.0%
  • どんなキャリアを歩んできた人が多いのか: 35.6%
  • 職種ごとにどんなロールモデルがあるのか: 35.4%
  • 以前はどんな人たちが働いていたのか: 22.8%

学生が入社前に知りたい情報として最も多く挙げられたのは、「どんな働き方をしている人が多いのか」で57.6%の回答がありました。次いで「どんな価値観や想いを持って働いている人がいるのか」が37.0%、「どんなキャリアを歩んできた人が多いのか」が35.6%と続きます。
単なる業務内容や待遇だけでなく、社員の働き方や価値観といった「ソフト面」の情報が、学生にとって企業選びの重要な要素になっていることがわかります。

実際に就活をしていても、社員の方との座談会の際には、こうした働き方やキャリアについての質問が多くあったように感じました。

4. 選考で話したいのは「価値観の合う人」

選考プロセスにおいて、面接官以外と話ができるとしたら話してみたいと感じる人4/6

選考プロセスにおいて、面接官以外と話ができるとしたら話してみたいと感じる人

出所:talentbook株式会社「『ロールモデル』のキャリア影響度調査2025」(PRTIMES)

選考プロセスにおいて、面接官以外と話ができるとしたら話してみたいと感じる人をすべて選択ください。(複数回答)

  • 近しい価値観を持っている人: 38.8%
  • 近しいキャリアを歩んできた人: 34.0%
  • 自身のロールモデルとなる人: 32.0%
  • 出身大学が同じ人: 23.6%
  • どれも当てはまらない: 21.0%

選考プロセスにおいて、面接官以外と話ができるとしたら誰と話したいかという質問では、「近しい価値観を持っている人」が最も多く、38.8%という結果になりました。
「近しいキャリアを歩んできた人」が34.0%、「自身のロールモデルとなる人」が32.0%で上位に入っています。

就活生は自分と似た価値観を持つ社員との対話を通じて、その企業で働く自分をシミュレーションし、「カルチャーフィット」を確認したいと考えているようです。

5. キャリアプランを考えるメリットと情報収集の方法

キャリアプランを考えるメリット5/6

キャリアプランを考えるメリット

出所:厚生労働省「未来の自分を描く」

自身のキャリアについて考えることは、就職活動において非常に重要です。
厚生労働省によると、キャリアプランを考えることには大きく3つのメリットがあるとされています。

  • 自分の強みと弱みを知れる:自分の強みや弱みを見つけることができます。 自分に合った職種や業界を見つける手助けにもなります。
  • キャリアの方向性が明確になる:自分がどのようなキャリアを築きたいのか、どのような価値観を大切にしたいのかが明確になります。
  • モチベーションが向上する:将来の目標に近づくために、今の仕事をしていることが明確になることで、すべての業務に意味を感じ、モチベーションが上がります。

また、自分に合ったキャリアプランを見つける手がかりにするためには、さまざまな情報を収集することが大切です。以下の4つの方法を活用してみましょう。

情報収集の方法6/6

情報収集の方法

出所:厚生労働省「未来の自分を描く」

  • インターネット:職業情報を調べる。 「job tag(職業情報提供サイト)」では、500以上の職業について、仕事の内容、必要なスキル、就業経路など、その職業に関するさまざまな情報を提供しています。興味や価値観などから向いている職業を検索することもできます。
  • キャリアセンター:大学のキャリアセンターを活用し、相談する。
  • OB・OG訪問:先輩に話を聞いて、実際の仕事や業界についての理解を深める。
  • インターンシップ:実際に働いてみて、仕事の現場を体験する。

このなかでも、OB・OG訪問やインターンシップは、自分自身の肌身をもって仕事や企業を知ることができる機会です。こうした機会に、ロールモデルに出会える可能性もあります。
様々な情報手段を活用しながら、自身のキャリアについて向き合っていくことが重要ですね。

6. まとめにかえて

Z世代の就活生にとって、「ロールモデル」は入社の意思決定を左右する重要な存在です。しかし、現状では多くの学生が理想のロールモデルに出会えていません。

就活生が求めているのは、単なる成功事例ではなく、自分と「価値観」や「働き方」が近い社員のリアルな姿です。
企業には、多様な社員のストーリーを発信し、学生が共感できる「ロールモデル」を見つけられる機会を増やすことが求められているようです。

参考資料

LIMO・U23編集部