政府は、11月11日に国家公務員の給与引き上げを求めた人事院勧告を受け入れました。これにより、国家公務員の給与は前年から3.62%上昇する見込みです。

引き上げ前の国家公務員の給与は、月収いくらなのでしょうか。また、職種別の違いやボーナスも含めた年収は、どうなっているのでしょうか。

この記事では、国家公務員の給与の実態を解説します。

1. 【最新】国家公務員の平均給与月額

人事院の「令和7年 国家公務員給与等実態調査」をもとに、まずは国家公務員の平均給与月額を見ていきましょう。

国家公務員の平均給与月額1/4

国家公務員の平均給与月額

出所:人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」をもとに筆者作成

  • 平均給与月額:42万4979円
  • 俸給:34万5458円
  • 地域手当等:4万4336円
  • 俸給の特別調整額:1万1810円
  • 扶養手当:8573円
  • 住居手当:7227円
  • その他:7575円

平均給与月額は約42万円となっています。内訳を見ると、基本給が約35万円、地域手当が約4万円で、全体の約92%を占めます。残りは調整額やそのほかの手当です。地域手当がなければ38万643円と40万円を切るため、地域手当の存在は大きいといえるでしょう。

なお、国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、民間企業の給与(年額)は477万5000円で、月額換算すると39万7917円です。公務員の給与は民間企業に準拠することになっているため、賃上げによる民間の給与の伸びがしっかりと反映されているといえます。

次章では、職種別に給与の差を見てみましょう。

2. 【職種別】一般職・専門職で給与差はどれくらい?

国家公務員は、各省庁で事務をする行政職、税務を専門とする税務職、海に関連する仕事をする海事職など、さまざまな職種の職員がいます。それぞれの職種別に、平均給与月額を見てみましょう。

国家公務員:一般職・専門職の平均給与月額2/4

国家公務員:一般職・専門職の平均給与月額

出所:人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」をもとに筆者作成

  • 行政職(一):41万4480円
  • 行政職(二):33万7907円
  • 専門行政職:46万1821円
  • 税務職:44万2129円
  • 公安職(一):39万9794円
  • 公安職(二):42万4820円
  • 海事職(一):46万3723円
  • 海事職(二):39万1116円
  • 教育職(一):48万8212円
  • 教育職(二):46万7537円
  • 研究職:56万4064円
  • 医療職(一):86万880円
  • 医療職(二):36万8522円
  • 医療職(三):37万5323円
  • 福祉職:39万5165円
  • 専門スタッフ職:61万4766円
  • 指定職:104万4184円
  • 特定任期付職員:65万9198円
  • 第一号任期付研究員:53万546円
  • 第二号任期付研究員:42万1092円

部長・局長クラスの「指定職」が104万4184円と、群を抜いて高い数字になっています。次いで、医師が該当する「医療職(一)」が86万880円、高度な専門知識を持つ人を任期付きで採用する「特定任期付職員」が65万9198円となっています。このほかの職種は、ほとんどが30万円台後半〜40万円台です。

専門性の高い職種や、特殊な技能・資格が求められる職種は、その分給与も高い傾向にあるようです。

次章では、ボーナスを含めた年収を見ていきましょう。

3. ボーナスを含めると「年収」はいくら?

前述の平均給与に、ボーナスを追加して、国家公務員のおおよその年収を確かめてみましょう。

直近の国家公務員のボーナスは、以下のようになっています。

  • 2025年6月:約70万6700円
  • 2024年12月:約65万2800円

この合計を、年間賞与として計算してみましょう。上記を足すと、年間賞与は約135万9500円となります。国家公務員の平均給与月額は42万4979円ですから、年間換算すると509万9748円です。ここに年間賞与を足すと、以下の金額となります。

  • 509万9748円+135万9500円=645万9248円

国家公務員の年収は、約646万円です。

国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、民間企業全体の平均賞与は74万6000円です。賞与額については、国家公務員は民間企業の平均を大きく上回る金額となっています。

次章では、国家公務員採用試験の新たな動きを解説します。

4. 国家公務員採用試験の新たな動き

国家公務員採用試験では、2026年度から氷河期世代の中途採用を再開する予定です。

就職氷河期世代の採用は、2024年度まで実施されていました。2024年度の試験結果を見てみましょう。

  • 受験資格:1966年4月2日~1986年4月1日に生まれた人(※)
  • 職務内容:事務区分・技術区分・刑務官区分・入国警備官区分
  • 申込者数:3909人
  • 受験者数:2370人
  • 合格者:151人
    ※日本の国籍を有しない人や改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている人などは受験不可

この採用枠は2024年度をもって一旦終了し、2025年度は実施されませんでした。

しかし、2025年6月3日の閣僚会議にて、2026年度から氷河期世代の国家公務員・地方公務員としての中途採用が再開されることが決定しました。

国家公務員試験は、大卒・高卒・社会人試験とさまざまな経歴の人を対象に実施しています。ここに氷河期世代の中途採用が加わることで、該当の世代の人にとっては、キャリアチェンジやキャリアアップのチャンスが増えるでしょう。

5. まとめ

国家公務員の給与は、月額約42万円でした。給与自体は、民間企業と大きな差はありませんでしたが、手当や賞与額などに違いが見られました。職種によっても給与額はさまざまで、高度な技術や専門知識が必要な職種は、より多くの給与が支払われています。

2026年度からは、氷河期世代の中途採用も再開されます。倍率は決して低くなく狭き門ですが、これを機に将来のキャリアを見つめ直してみるのもよいでしょう。

参考資料

石上 ユウキ