物価高騰が続いた2025年も、終わりが近づいてきましたね。この1年を振り返って、どれくらい貯蓄できたでしょうか。
年金は原則65歳から受給できます。しかし、近年は65歳を超えても働いている人は少なくありません。一方で、十分な貯蓄と年金があり、早期退職(アーリーリタイア)や65歳の定年で退職を迎える人もいます。
今回は、65歳以上の無職夫婦世帯の生活費や貯蓄額に関するデータを、最新の総務省「家計調査」をもとに、今のシニア世代の年金受給事情も絡めて紹介します。
豊かな老後を目指すために貯蓄するなら、より現実的な老後の実態を知ることが大切です。
1. 【65歳以上。リタイア夫婦】無職世帯の老後の暮らし「ひと月の生活費」はいかほどか
結論からいうと、現役を退いた65歳以上の無職夫婦世帯では、毎月の生活費が毎月約3万円を超える赤字になると言われています。
その根拠となる総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」を見てみましょう。
なかでも注視したいのは収入と支出の差額です。
- 収入:25万2818円
- 消費支出:25万6521円
- 非消費支出:3万356円
消費支出は、いわゆる生活費のこと。非消費支出とは、健康保険料や税金などが該当します。
ひと月の支出合計は28万6877円となる一方で、社会保障給付(主に年金)は25万2818円です。このケースでは、毎月3万4058円が不足することになります。
また、住居費用が支出の6.4%と低いことにも注目してみてください。これは持ち家が前提条件であると推測できます。つまり、65歳以上で賃貸住宅に居住する場合は、さらに支出が増えると考えておく必要があるでしょう。
