長寿化が進む日本では、定年後のセカンドライフが非常に長くなっています。たとえば、65歳で定年を迎え、平均余命通りに過ごすと仮定すると、男性で約19.5年、女性で約24.4年にも及びます(令和6年簡易生命表より)。

このセカンドライフで、食事や睡眠時間を除いた1日14時間を自由時間とすると、約22年間で合計11万2420時間という膨大な自由時間となり、現役時代の労働時間(43年間で8万6000時間と仮定)を大きく上回る計算です。

セカンドライフは長い

セカンドライフは長い

出所:厚生労働省「令和6年 簡易生命表」等を参考にLIMO編集部作成

この長く、豊かになった個人生活の背景で、日本社会は少子高齢化という大きな構造変化の中にいます。その現状はよく耳にしますが、私たちの暮らしにどんな影響があるのか、実感しにくい面もあります。

今回は、厚生労働省が公表する「100人でみた日本」のデータをもとに、人口・労働・福祉・医療の現状をわかりやすく解説し、そこから見える社会の課題を考えていきます。

1. 100人でみた日本、「15歳未満の子どもが約1割、65歳以上は約3割」

「100人でみた日本」人口について

「100人でみた日本」人口について

出所:厚生労働省「令和6年版厚生労働白書(100人でみた日本)

【性別】

  • 男性:48.6人
  • 女性:51.4人

【年齢】

  • 15歳未満:11.4人
  • 65歳以上:29.1人(このうち75歳以上:16.1人)

男女比を見ると、男性48.6人に対して女性が51.4人と、わずかに女性が多い構成です。年齢に目を向けると、15歳未満の子どもが11.4人であるのに対し、65歳以上の高齢者は29.1人にのぼります。さらに、そのうち16.1人は75歳以上となっており、データから日本の急速な高齢化の進行がうかがえます。