10月27日、日経平均株価の終値は史上最高値となる5万円を突破しました。

国内株式に関わらず、さまざまな相場で「史上最高値」を更新したというニュースを見聞きし、投資に興味を持ち始めた方もいるでしょう。

投資はリスクを伴うため、価格が上昇するときもあれば下落するときもあります。しかし、この変動の波を乗りこなし、安定的な運用で長期的に資産を増やせる期待も高まっています。

実際、年金積立金は国内外の株式や債券などに投資をして、着実に資産を増やしています。

直近では、7-9月の期間収益で5.52%もの好成績を残しました。運用が開始した2001年度以降は年率+4.51%となっています。

本記事では、年金積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の最新レポートより運用状況を確認します。その上で、NISA口座で税制優遇を受けながら、積立投資「毎月3万円」を年5%・年4%で安定運用できた場合、10年後・20年後・30年後に資産がどのように増えるのか、その期待値をシミュレーションしていきます

1. 年金積立金、7-9月運用収益率はプラス5.52%!

皆さんの公的年金の積立金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、運用開始の2001年度以降、長期的に年率+4.51%という収益率を上げています。

直近の2025年度第2四半期(7月~9月)の期間収益率は+5.52%です。

下の推移グラフからもわかる通り、短期的に下がる局面はあるものの、長期では着実に収益が積みあがっている様子がわかります。

GPIF「市場運用開始後の四半期収益率と累積収益額(2001 年度~2025年度第2四半期)」1/4

GPIF「市場運用開始後の四半期収益率と累積収益額(2001 年度~2025年度第1四半期)」

出所:GPIF「2025年度第2四半期運用状況(速報)」

公的年金の運用は、減らすことが許されない性質上、極めて慎重に行われています。下の円グラフにある通り、「国内債券・国内株式・海外債券・海外株式」を25%ずつという基本ポートフォリオ(資産配分)でリスクを分散しています。

運用資産額・構成割合(年金積立金全体)2/4

運用資産額・構成割合(年金積立金全体)

出所:GPIF「2025年度第2四半期運用状況(速報)」

慎重な運用にもかかわらず、公的年金は変動を伴いながらも、長期的におおむね年率+4%前後の成果を上げてきました。

これからNISAで資産運用を始める方にとって、公的年金の運用実績とポートフォリオは、リスクを抑えた長期投資の現実的な目標となるのではないでしょうか。

2. 【NISA】積立投資で「毎月3万円」を「10年・20年・30年」でシミュレーション

前章で確認した公的年金の運用実績を踏まえ、ここではNISAを利用して毎月3万円を積み立てた場合に、10年後、20年後、30年後で資産がどの程度増える可能性があるのかをシミュレーションします。

なお、実際の運用利回りは事前に確約されるものではありません。相場の変動によって元本割れのリスクもある点は理解しておきましょう。

さて、ここでは公的運用の実績を参考に、「年5%」と「年4%」を想定し、その運用結果を確認していきます。

2.1 NISA積立投資「毎月3万円」5%で運用できた場合

【NISA】月3万円を30年間積み立て運用するといくらになる?3/4

【NISA】月3万円を30年間積み立て運用するといくらになる?

出所:LIMO編集部作成

シミュレーション結果は、以下の通りです。

シミュレーション結果:元本・運用収益:総額

  • 0年目:0円
  • 2年目:72万円・3万5578円:75万5578円
  • 4年目:144万円・15万0447円:159万0447円
  • 6年目:216万円・35万2928円:251万2928円
  • 8年目:288万円・65万2215円:353万2215円
  • 10年目:360万円・105万8468円:465万8468円
  • 12年目:432万円・158万2912円:590万2912円
  • 14年目:504万円・223万7949円:727万7949円
  • 16年目:576万円・303万7284円:879万7284円
  • 18年目:648万円・399万6061円:1047万6061円
  • 20年目:720万円・513万1010円:1233万1010円
  • 22年目:792万円・646万0620円:1438万0620円
  • 24年目:864万円・800万5319円:1664万5319円
  • 26年目:936万円・978万7679円:1914万7679円
  • 28年目:1008万円・1183万2640円:2183万2640円
  • 30年目:1080万円・1416万7759円:2496万7759円

毎月3万円の積立を続けた場合、10年後の元本は360万円です。この10年間、年5%で運用できたと仮定すると、約105万円の運用益が加わり、総額は約466万円に膨らみます。

さらに積立を継続し、30年後まで続けると、元本1080万円に対し、資産総額は約2497万円に達します。

これはあくまでシミュレーションの結果ですが、現金をただ預貯金として置いておくだけでなく、運用することで資産が大きく育つ期待があることが明確にわかります。

2.2 NISA積立投資「毎月3万円」4%で運用できた場合

【NISA】月3万円を30年間積み立て運用するといくらになる?4/4

【NISA】月3万円を30年間積み立て運用するといくらになる?

出所:LIMO編集部作成

シミュレーション結果は、以下の通りです。

シミュレーション結果:元本・運用収益:総額

  • 開始:0円
  • 2年目:72万円・2万8287円:74万8287円
  • 4年目:144万円・11万8788円:155万8788円
  • 6年目:216万円・27万6677円:243万6677円
  • 8年目:288万円・50万7556円:338万7556円
  • 10年目:360万円・81万7494円:441万7494円
  • 12年目:432万円・121万3064円:553万3064円
  • 14年目:504万円・170万1386円:674万1386円
  • 16年目:576万円・229万0172円:805万172円
  • 18年目:648万円・298万7773円:946万7773円
  • 20年目:720万円・380万3239円:1100万3239円
  • 22年目:792万円・474万6367円:1266万6367円
  • 24年目:864万円・582万7773円:1446万7773円
  • 26年目:936万円・705万8953円:1641万8953円
  • 28年目:1008万円・845万2360円:1853万2360円
  • 30年目:1080万円・1002万1482円:2082万1482円

毎月3万円の積立を続けた場合、10年後の元本は360万円です。この10年間、年4%で運用できたと仮定すると、約82万円の運用益が加わり、総額は約442万円にまで膨らみます。

さらに積立を継続し、30年後まで続けた場合、元本1080万円に対し、資産総額は約2082万円に達するという結果になりました。

繰り返しとなりますが、投資であるため、何%で運用できるかは確約できません。

しかし、平均して年4%や5%程度で長期運用を継続できた場合、「お金に働いてもらう」ことで資産が雪だるま式に増える期待があることを、イメージできたのではないでしょうか

3. まとめ

資産を育てるうえで大切なのは、「どれだけ早く始めるか」と「時間を味方につけること」です。

この記事では、毎月3万円をNISAで積み立てた場合に、年利4〜5%で運用したシミュレーションを紹介しました。公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の実績から見ても、長期でコツコツ投資を続けることで、複利の力が大きな成果を生む可能性があるといえます。

たとえ年3%の利回りでも、30年後には元本の約1.5倍以上に増える計算です。運用益が非課税となるNISAは、少額からでも始めやすく、長期の資産形成に最適な制度です。「準備ができたら」ではなく、今日から少しずつ動き出すことが、将来の安心につながります。

参考資料

和田 直子