2. 精神障害者保健福祉手帳、所持者は154万人超「1年で約10万人増加!」何級が多い?
精神障害者保健福祉手帳の交付台帳は、手帳の交付を受けた方々の情報を管理し、各種の支援策が円滑に講じられるようにするために設けられています。厚生労働省「令和6(2024)年度衛生行政報告例の概況」で手帳交付台帳登載数の年次推移を見てみましょう。
2.1 「精神障害者保健福祉手帳」の所持者は年々増えている
令和2年度(2020年)から令和6年度(2024年)にかけて、5年連続で増加しています。特に令和6年度末現在では、前年度から10万9340人増加し、手帳の所持者は154万7433人に達しました。なお、この登載数は「有効期限切れを除く」とある通り、精神障害者保健福祉手帳には有効期限があり、原則として2年間と定められています。
2.2 障がいの等級区分「何級が多い?」
精神障害者保健福祉手帳の所持者を等級別に見ると、2級の登載数が最も多く、令和6年度末現在で89万7292人と全体の過半数を占めています。一方で、対前年度からの増加率が最も高かったのは3級であり、10.0%増という高い伸び率でした。
2.3 【1級〜3級】等級ごとに異なる生活への影響
「精神障害者保健福祉手帳」の等級は1級〜3級まであり、精神疾患の状態と日常生活への影響をもとに総合的に判断されます。
- 1級:日常生活のほとんどにおいて、自力で行うことが困難で、常時の介助や支援が必要な状態
- 2級:日常生活に著しい制限があり、日常の多くの場面で継続的な支援や配慮を必要とする状態
- 3級:日常生活や社会生活に一定の支障があり、状況に応じた支援や配慮が必要となる状態
この等級制度は、個々の状態に応じた支援を設計することに役立つ仕組みです。適切な支援につなげるためにも、制度を正しく理解しておくことが重要です。次に、この「精神障害者保健福祉手帳」を持つことで受けられる支援内容について見ていきましょう。
