5. 参考：現在の高齢者の年金受給額は月平均いくら？
ここでは、厚生労働省年金局が公表した『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』を基に、国民年金と厚生年金（※）の受給額について、「60歳から90歳以上までの5歳刻みの平均月額」と「全年齢の平均月額」に分けて見ていきます。
※厚生年金の被保険者は第1号から第4号まで区分されています。この記事では、民間企業などに勤務していた方が受け取る「厚生年金保険（第1号）」（以下「厚生年金」）の年金月額を紹介します。
5.1 【年齢階級別】国民年金・厚生年金の平均月額
国民年金
- 60～64歳：4万4836円
- 65～69歳：5万9331円
- 70～74歳：5万8421円
- 75～79歳：5万7580円
- 80～84歳：5万7045円
- 85～89歳：5万7336円
- 90歳以上：5万3621円
厚生年金
※国民年金部分を含む
- 60～64歳：7万5945円
- 65～69歳：14万7428円
- 70～74歳：14万4520円
- 75～79歳：14万7936円
- 80～84歳：15万5635円
- 85～89歳：16万2348円
- 90歳以上：16万721円
64歳までの年金額が低いのは、繰上げ受給や特別支給の老齢厚生年金を受給している方が含まれるためです。
本来の受給開始年齢である65歳以上で見ると、国民年金（老齢基礎年金）のみの方は月額5万円台、厚生年金（国民年金部分を含む）の方は月額14万円台から16万円台が平均となっています。
これらはあくまで各年齢層の平均値であり、実際の受給額は現役時代の働き方や年金加入状況によって大きく異なるため、参考としてご覧ください。
続いて、60歳から90歳以上の全年齢層を対象とした平均月額を見ていきます。特に厚生年金における男女差や個人差に注目してみましょう。
5.2 【全体・男女別】国民年金・厚生年金の平均月額
国民年金の平均月額
- 全体 5万7584円
- 男性 5万9965円
- 女性 5万5777円
厚生年金の平均月額
- 全体 14万6429円
- 男性 16万6606円
- 女性 10万7200円
国民年金のみを受給している方の平均月額は、全体・男女別ともに5万円台です。満額でも月額7万円弱であるため、一定の要件を満たせば老齢年金生活者支援給付金の対象となる可能性があります。
一方、厚生年金受給者の平均月額は全体で14万円台と高めですが、男女別に見ると男性が16万円台、女性が10万円台と、大きな差が見られます。
個人差が大きい厚生年金の受給額
また、厚生年金の受給額は個人差が非常に大きいのが特徴です。月額1万円未満の方から30万円を超える方まで、受給額は幅広く分布しています。
そのため、厚生年金を受け取っている場合でも、受給額によっては老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるケースも考えられます。
6. まとめ：年金生活者支援給付金は暮らしを支える重要な制度
年金生活者支援給付金は、老後の暮らしを支える「第2の柱」となり得る、非常に大切な制度です。
月々の給付額は少額に感じるかもしれませんが、年間で考えると生活費の大きな助けになるでしょう。
申請手続きは少し手間に感じるかもしれませんが、一度済ませてしまえば、その後の生活に安心感をもたらしてくれます。
国が用意しているこのようなセーフティネットは、知っているかどうかで生活の質が大きく変わることもあります。
制度によっては対象者へ案内が届かないものも多いですが、この給付金のように案内が送られてくるものもあります。
公的機関からの郵便物は優先的に確認し、見慣れない書類だからといって放置しないようにすることが大切です。
※LIMOでは個別の質問やご相談はお受けできません。
※再構成し再編集しました。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします～年金額は前年度から 1.9％の引上げです～」
- 日本年金機構「老齢（補足的老齢）年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する方」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)送付用封筒」
- 日本年金機構「令和7年度の年金生活者支援給付金請求書（はがき型）の送付について」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎えた方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 老後、年金に加えて「年金生活者支援給付金」をもらえる？！「月額5000円」や「月額9000円」など給付額は個人差が…【給付額の目安一覧表】
和田 直子
