4. 確定申告をすれば税金が戻ってくるケースもある

年金受給者の場合、一定の要件を満たせば確定申告は不要ですが、確定申告をすると税金が戻ってくるケースがあります。

4.1 社会保険料や生命保険料などを支払っている場合

家族の国民年金保険料を支払っている場合は、社会保険料控除を適用できます。

また、生命保険料などを支払っている場合は、生命保険料控除の適用が可能です。

4.2 一定額以上の医療費を支払った場合

1年間に支払った医療費が一定額を超える場合、医療費控除を受けられる可能性があります。

ご自身のほか、ご家族にかかった医療費も対象です。

医療費控除の金額は、実際に支払った医療費から保険金等で支払われた金額と10万円を差し引いて計算します。

所得金額が200万円未満の場合は、総所得金額等の5%の金額が対象になります。

4.3 住宅ローンを利用して住宅を取得・リフォームした場合

住宅ローンを組んで住宅を取得したり、バリアフリー住宅にリフォームしたりした場合、「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」を適用できる可能性があります。

控除期間は10年間で、住宅ローンの年末残高の0.7%(最高14万円)が控除できます。

4.4 家族構成が変わった場合

たとえば、配偶者と離婚や死別をした一定の要件に該当する妻には、「寡婦控除」が適用される可能性があります。

控除額は27万円です。

5. まとめ

国民年金や厚生年金を受給している方は「確定申告不要制度」の利用が可能です。

年金収入が400万円以下でその他所得が20万円以下であれば、原則として確定申告をする必要はありません。

ただし、一定金額以上の医療費がかかった場合や住宅ローンを利用した場合など、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性があります。

控除が受けられる場合は、手続き期間内に忘れずに確定申告をしましょう。

参考資料

木内 菜穂子